田辺市議会 2015-03-12
平成27年 3月定例会(第4号 3月12日)
平成27年 3月定例会(第4号 3月12日) 田辺市議会3月
定例会会議録
平成27年3月12日(木曜日)
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平成27年3月12日(木)午前10時開議
第 1 一般質問
第 2 1定議案第11号
独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴う関
係条例の整備に関する条例の制定について
第 3 1定議案第12号 田辺市
行政手続条例の一部改正について
第 4 1定議案第13号 田辺市職員の給与に関する条例及び田辺市企業職員の給与
の種類及び基準に関する条例の一部改正について
第 5 1定議案第14号 田辺市保育所条例の一部改正について
第 6 1定議案第15号 田辺市
学童保育所条例の一部改正について
第 7 1定議案第16号 田辺市
子ども医療費の支給に関する条例の一部改正につい
て
第 8 1定議案第17号 田辺市
ひとり親家庭等医療費の支給に関する条例の一部改
正について
第 9 1定議案第18号 田辺市老人医療費の支給に関する条例及び田辺市重度障害
者等医療費の支給に関する条例の一部改正について
第10 1定議案第19号 田辺市手数料条例の一部改正について
農業振興課参事 小 川 恒 生 君
森林局長 寺 本 雅 信 君
山村林業課長 鈴 木 徳 久 君
建設部長 林 誠 一 君
都市計画課長 栗 山 卓 也 君
中辺路行政局長 虎 地 一 文 君
中辺路行政局総務課長
天 野 和 洋 君
本宮行政局総務課長 坪 井 俊 二 君
消防長 小 山 裕 史 君
消防本部理事 濱 中 延 元 君
予防課長 原 雅 樹 君
教育次長 小 川 鏡 君
教育総務課長 宮 﨑 和 人 君
水道部長 惠 中 祥 光 君
業務課長 磯 田 和 男 君
簡易水道課長 桐 本 達 也 君
――
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〇
出席事務局職員
議会事務局長 大 門 義 昭
議会事務局次長 杉 若 美津子
議会事務局主任 前 溝 浩 志
議会事務局主査 宇 代 夏 樹
開 議
○議長(塚 寿雄君) 定足数がありますので、ただいまからお手元に配付の日程により、平成27年第1回
田辺市議会定例会4日目の会議を開きます。
(午前10時00分)
――
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○議長(塚 寿雄君) それでは、日程に入ります。
◎日程第1 一般質問
○議長(塚 寿雄君) 日程第1 一般質問を行います。
3番、久保浩二君の登壇を許可いたします。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) おはようございます。日本共産党の久保浩二です。今回は、防災対策について、そしてその防災対策の中でも災害時要援護者の対応について質問をします。
ことしで阪神・淡路大震災から20年がたちました。きのうが
東日本大震災から丸4年になった日であります。阪神・淡路大震災の地震は約10秒、避難所がなくなるのは5年後だったと言われています。
南海トラフを震源とする大地震は、揺れは長くて数十秒から数分ですが、避難所、仮設住宅の生活は5年以上かかることも考えられます。避難生活は長く続き、現在の東北はまだ先が見えない状況であります。
2年前の平成25年3月に内閣府が出した災害時要援護者の避難支援に関する検討会の報告書では、平成23年3月の
東日本大震災において、非常に多くのとうとい命が失われた。その中でも被災地全体で65歳以上の高齢者の死亡率が約6割であり、また障害者の死亡率は被災住民全体の死亡率の約2倍等になるなどの調査もなされている。地域で生活をしていた高齢者や障害者等のうち、避難行動や避難生活のために支援を必要とする災害時要援護者へ避難に必要な情報が届かなかった。避難すべきか否かを判断することができなかった。必要な避難支援を受けられなかった。寝たきりの状態や老々介護により、自力や介護者の力だけでは避難することができなかったから、避難することを諦めてしまったことで、多くの要援護者の命が失われたとなっています。
まず、一番最初に、
南海トラフによる大震災で、田辺市の被害想定はどのようになっているのか、被災戸数や被災者数などの数字について、お示しください。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 3番、久保浩二君の質問に対する当局の答弁を求めます。
総務部長、中瀬政男君。
(総務部長 中瀬政男君 登壇)
○総務部長(中瀬政男君) 久保議員からの御質問の
南海トラフの巨大地震の被害想定についてお答えいたします。
昨年10月に県が発表した
南海トラフ巨大地震の被害想定は、平成24年に内閣府が示した震源域が静岡県から宮崎県に及ぶマグニチュード9.1の地震を想定したモデルをもとに、そのうち最も和歌山県に大きな被害をもたらす可能性の高いケースを用いて算出されています。
また、人的被害や建物被害など、地震発生時の季節や時刻、風速により被害の程度に影響が及ぶものについては、四つのパターンを想定し、そのうち最も被害が大きくなるものを公表しております。広報された被災想定の内容につきましては、まず、死者数でございますが、県全体で9万人、田辺市では1万5,200人とされておりまして、田辺市の被害のほとんどは津波によるものとなっています。
なお、これは冬の午後6時に地震が発生し、発生時の風速が秒速8メートルのケースで、津波からの避難について避難を要する人のうち、35%しかすぐに避難行動を起こさないという設定によるものです。
したがいまして、避難訓練や防災学習会などにより、市民の皆さんの意識啓発を図り、いざというときに適切な行動をとることができれば、この数字は大きく減少させることができると考えられます。最大想定における田辺市の津波による死者数は1万5,200人ですが、全員がすぐ避難行動を起こすという最小の想定では850人となっています。
次に、建物の被害ですが、県全体の
建物全壊棟数は約15万9,000棟とされており、このうち田辺市では2万2,300棟となっています。これも死者数と同様に、冬の午後6時、風速8メートルのケースで、倒壊原因は地震による揺れと津波によるものがそれぞれ約半数を占め、火災によるものは630棟とされています。
また、避難者数につきましては、避難所への避難者と避難所以外での生活者を含め県全体では発災から1日後で、約44万人、1週間後で約29万人、1カ月後で約39万人とされており、田辺市におきましては、1日後で約4万7,000人、1週間後で約3万1,000人、1カ月後で約4万4,000人となっています。
なお、これは夏の正午に地震が発生し、風速は4メートル、津波の要避難者が
全員早期避難を行い、死者数が少ない場合の想定でございます。
以上でございます。
(総務部長 中瀬政男君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 今、被害想定を出していただきました。最小で死者数も850人まで減らすことができるというお話でした。大地震、津波が起こった場合に、すぐに高台に避難するということが求められています。現在、津波対策の避難路の整備状況、現状はどのようになっているのか、お聞かせください。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 総務部長。
(総務部長 中瀬政男君 登壇)
○総務部長(中瀬政男君) 市内全体で約40カ所の整備が完了しております。以上です。
(総務部長 中瀬政男君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 40カ所ということは、まだまだ不十分だと思います。それで次に、災害時要援護者の避難についてお伺いします。現在、要
援護者名簿に登録されている方は何名になるのでしょうか。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(塚 寿雄君)
保健福祉部長、田中 敦君。
(
保健福祉部長 田中 敦君 登壇)
○
保健福祉部長(田中 敦君) 平成26年度現在、2,726名でございます。以上です。
(
保健福祉部長 田中 敦君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 現在、田辺市の中で在宅の要介護認定者が1,857名、在宅の要介護3以上が978名と言われています。障害者の数は手帳所持者で身体、知的、精神、内疾患等などで身体で約4,000名、療育など800名弱、精神で400名余り、そういう数字があるのですが、今お示ししていただいた2,726名で、要援者数というのは正確なのでしょうか。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(塚 寿雄君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 田中 敦君 登壇)
○
保健福祉部長(田中 敦君) 基本的に、災害時要
援護者名簿に掲載される方については、要支援を介護保険料の要支援、要介護を受けている方、それから障害者においては
身体障害者、知的障害者、
精神障害者手帳の重度の手帳をお持ちの方、それから
特定疾患者等、それぞれ当初はこれらの基準に基づく方々を抽出して、今年度については4,634名の方を抽出して、その後、民生委員の聞き取り、それから世帯訪問等を行い、現在の数に絞ってございます。
以上です。
(
保健福祉部長 田中 敦君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 今回の質問で、田辺市災害時要
援護者支援の手引きというのを参考にさせてもらっています。その中で、現在、要
援護者名簿に登録されている内容について、どのようなものが記載されているのかお伺いします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(塚 寿雄君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 田中 敦君 登壇)
○
保健福祉部長(田中 敦君) 議員御質問の災害時要
援護者名簿には、住所、氏名、年齢などの情報のほか、緊急時の連絡先、ふだんサービスを受けている事業所等の名称など、要援護者一人一人の支援に必要な情報を記載していますが、
避難支援者や避難所までの経路等については、現在のところ記載しておりません。
平成22年当時の災害時要
援護者名簿作成時に、
避難支援者については、それぞれの地域で十分話し合って御検討いただくようお願いしているところでございます。
平成27年度以降は、改正された
災害対策基本法に基づき、避難行動要
支援者名簿を作成することになりますが、
避難支援者を特定することになれば、個人に責任を負わせることにもつながりかねないため、名簿の記載事項については、関係団体と協議しながら、慎重に検討してまいりたいと考えております。
(
保健福祉部長 田中 敦君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 皆さんに配付している資料に、田辺市の要
援護者名簿の記入例があります。そして、もう一つが、平成20年6月に出された和歌山県の避難行動要支援者登録申出書兼台帳で、もっと細かく記入できるようになっています。部長の答弁では平成27年度からという話で、
避難支援者が要援護者に対して責任を持つものであるということを言われたのですが、県のものにも国のものにも、このようにこれにはあと2枚あり、細かく一人一人について書けるのですが、そうすると平成27年度以降法律に基づいて作成する際には、ここまで細かく書くようになるということですか。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(塚 寿雄君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 田中 敦君 登壇)
○
保健福祉部長(田中 敦君) 現在の個人の情報については、ある一定、このガイドラインに沿った記載となってございますので、現状で対応できるものと考えてございます。
以上です。
(
保健福祉部長 田中 敦君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 要援護者一人一人をどのように避難させるのか。指定避難所までの距離、その辺については少し書かれている部分があるのですが、もっと細かく明示することが必要になってくると思うのです。要支援者が誰で、
避難支援者が誰なのか。複数が記載されるようになっていますし、そして、避難時には徒歩で避難できるのか、自動車で避難することが必要なのか、
車椅子使用者であるためストレッチャーが要るのかといったことを要援護者一人一人について書く必要があると思うのですが、その辺については十分把握できるのでしょうか。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(塚 寿雄君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 田中 敦君 登壇)
○
保健福祉部長(田中 敦君) 現在の
避難支援者の状況については、それぞれ最寄りの避難場所等も記載してございます。ただ、具体的な記述については、当然、それぞれの地域の中で検討いただくという状況になってございます。
以上でございます。
(
保健福祉部長 田中 敦君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) それでは、
避難支援者についてお伺いします。
先ほども言いましたように、災害時要援護者の避難には複数の
避難支援者が必要と言われています。要
援護者登録者数が2,726名と言われましたが、現在、
避難支援者の登録状況がどのようになっているのか、お伺いします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(塚 寿雄君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 田中 敦君 登壇)
○
保健福祉部長(田中 敦君) 和歌山県の災害時
支援マニュアルが平成20年に策定されました。平成22年に関係団体にお集まりいただき、この
避難支援者について協議を行いました。その中で、当然、
避難支援者をそれぞれ固定するというのはいろいろな問題もある。当然、災害時にその地域におられるかどうかという問題もあると。やはり地域でそこの
避難支援者の部分を担当するべきではないかというような御意見もいただきました。
そのようなことから、先ほど答弁いたしましたように、この問題については、関係団体と協議しながら、慎重に検討してまいりたいと考えてございます。
以上です。
(
保健福祉部長 田中 敦君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 昨年10月に福島県南相馬市へ行って、災害時要援護者の避難の問題についていろいろと聞いてきたのですが、その中でもやはり
避難支援者を誰にするのか。1名でよいのか。3名でよいのかという議論がなされたということです。1人では余りにも責任が重過ぎて、もしものことがあったときのために、どこにも出ることができないので、複数で対応することが必要だと。複数であれば1人の人が対応できなくても、ほかの人ができるということが言われています。
そういう意味でも、やはりできるだけ早く一人一人の要援護者に対して、支援者を割り当てるというか、それをつくっていくことが災害時に必要ではないかと思います。
次に、要援護者の避難支援対策を円滑に実施し、要援護者及び
避難支援者双方の命を守るため、平常時から名簿を活用して支援方法に関する打ち合わせを実施することが必要でありますが、自主防災組織や町内会、障害者団体や介護事業者などの連携はどのように進んでいるのか。要援護者一人一人への対応がどこまでできているのか、把握しているのか、お伺いします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(塚 寿雄君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 田中 敦君 登壇)
○
保健福祉部長(田中 敦君) 避難行動要
支援者名簿登録者の範囲につきましては、高齢者、障害者、
特定疾患者等で災害時に自力で避難できる、また避難の支援をしてくれる同居、隣接の家族や知人等のいない方のほか、民生委員・児童委員が災害時に支援が必要と判断された方の中から名簿の個人情報の提供に同意が得られた方を対象としております。
今後も民生委員・児童委員等、地域の関係者の協力を得ながら、名簿への登録を呼びかけてまいりたいと思います。
また、平常時の介護保険事業所や障害者団体との連携につきまして、例えば、介護保険事業所につきましては、市では、市内に特別養護老人ホーム及び老人保健施設を運営する社会福祉法人等8法人10施設と災害時等における地域の安心の確保等に関する協定を締結しており、災害時において、在宅や施設での生活が困難になった重度の介護を要する要配慮者の施設への受け入れや移送への協力をお願いしています。
また、身体等の状況が特別養護老人ホーム等に入所するに至らない程度の方で、避難所での生活に支障がある要配慮者の受け入れや移送について、福祉避難所の確保に関する協定を高齢者施設は1法人1施設、障害者施設は1法人2施設と締結しているところです。
このほか、田辺市
身体障害者連盟では、防災学習会を開催し、防災や災害時の対応等について、考える場づくり、また、西牟婁福祉圏域の市町と障害福祉事業の関係者等で構成される西牟婁圏域自立支援協議会では、災害時のボランティア活動を通した災害実態等を理解する研修会を開催するとともに、圏域内の各市町の避難行動要
支援者名簿の整備状況や福祉避難所設置状況をまとめ、各事業所での災害時の対応について、話し合いを進めており、今後もそれらの取り組みと連携を図ってまいりたいと考えています。
以上です。
(
保健福祉部長 田中 敦君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 話し合いをしているということですが、一人一人の要援護者に対して、どのように取り組むのかということが具体的に進んでいかないと、問題は解決しないと思うのです。そこまでの話し合いができるように、もっともっと綿密に回数もふやしてということが必要だと思います。
次に、避難についてお伺いいたします。田辺市では、各町内会などいろいろなところで防災訓練で避難訓練をされています。避難訓練に要援護者、
避難支援者がどれぐらい参加しているのか、お伺いします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(塚 寿雄君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 田中 敦君 登壇)
○
保健福祉部長(田中 敦君) 避難訓練の参加者数というお話でございますが、現状では、把握できておりません。ただ、関係団体等にこの災害避難訓練への参加呼びかけは行っております。
以上です。
(
保健福祉部長 田中 敦君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 平成25年9月の議会で、小川議員がこの問題について問われています。その中で、災害時要援護者が訓練に参加することで課題が見えてくることも期待されているところですが、まだまだ参加者数は十分でないと認識しておりますと言われています。
先ほど言われた最小の死者数というか、被害者数にしていくためには、やはり
東日本大震災の経験などでどういうふうにしなければならないかというのが物すごく明らかに、いろいろと文書も出ていると思います。やはり要援護者が実際に避難訓練に参加する。要支援者もその場に来て、実際に避難訓練をやってみる。いざというときには、それを積み重ねていくことで、スムーズに避難できると思います。周知はしているということですが、それではまだ不十分だと思います。
そして、災害時要援護者の視点に立った地域内の避難環境について調べることが必要だと思うのですが、避難経路で一人一人の要援護者がどのように避難するのか、どういう状況が考えられるのかについて、検討はされているのでしょうか。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(塚 寿雄君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 田中 敦君 登壇)
○
保健福祉部長(田中 敦君) 要支援者の目線での調査が必要ではないかとの御質問でございますが、市内各地においては、市が主催の防災訓練を初め、自治会や自主防災組織が主体となった実践的な防災訓練が実施されており、これまでも避難行動要支援対策としまして、リヤカーの配備、避難路への手すりの設置、またより多くの方が参加していただくよう実施時期を参加しやすい季節へ移行するなど、避難行動要支援者の視点を重視した訓練の方法を取り入れてきました。今後とも、自主防災組織等と連携を図りながら、避難対策に取り組んでまいりたいと考えています。
以上です。
(
保健福祉部長 田中 敦君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 避難誘導のことで少し発言したいのですが、この田辺市の手引きでは、
避難支援者の皆さんにお願いしたいこととして、要援護者の立場に立った避難支援をということで、高齢者、障害者、聴覚障害者、視覚障害者とかいろいろ書いているのですが、物すごく短くて中身が少しわかりにくいと思うのです。
そして、これは神奈川県相模原市の資料なのですが、物すごく細かく書かれていて、肢体に障害のある人についても、10項目ぐらい細かく書かれているのです。田辺市の場合、肢体不自由の場合は三つほど書いているのですが、やはりもう少し細かくしておくことが
避難支援者に対して必要なことだと思います。
次に、避難所についてお伺いします。
まず、災害が起こった場合には、まず高台へ避難した後に指定避難所に避難することになると思うのですが、災害時要援護者の対応をどのように取り組まれているのか。まず要援護者が対象になると思うのですが、どの要援護者がどの避難所に避難するのか、そこの避難所には要援護者が何名になるのかということは検討されているのでしょうか。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(塚 寿雄君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 田中 敦君 登壇)
○
保健福祉部長(田中 敦君) その災害の状況によって、当然、避難施設、もしくはその他の高台等へ移動するということも想定されますので、その人数、氏名等については把握できておりません。
以上です。
(
保健福祉部長 田中 敦君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) そうすると、指定避難所で要援護者の方に対して、どのような対応ができているのかということですが、大震災、大規模な災害では避難生活が長期にわたります。避難者の対応には支援スタッフの体制を充実しなければなりません。指定避難所になっている小中学校の体育館などに、どれぐらいの体制がとれるようになっているのか、看護師、介護スタッフ、支援員などその辺については今現在、どこまで検討が進んでいるのでしょうか。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 総務部長。
(総務部長 中瀬政男君 登壇)
○総務部長(中瀬政男君) 指定避難施設における要配慮者対策ということで、スタッフ等の配慮でございますが、これは災害対策本部の設置の中で、避難所班の中で組織体制をつくっております。これは平成25年度から組織体制強化ということで、避難所班から独立する形で要配慮者支援を創設しているということでございます。
これは要配慮者の避難支援や避難所における生活支援、また健康面に不都合が生じたとき、こういう場合は保健師や看護師などの専門職を配置し、ケアに努めていくということと、別室や避難所ではなかなか生活しづらいということであれば、他の施設へ移送するということなども計画しているということで考えております。
以上です。
(総務部長 中瀬政男君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君)
東日本大震災後は避難所でいろいろな問題が出されて、課題としていろいろと言われています。一つはプライバシーの問題、それからトイレの問題、仮設の洋式トイレ、それらは準備されているように聞くのですが、障害者用の車椅子対応のトイレがなかなか準備できていないということが言われています。排泄介助が必要な障害など大部屋で生活できない。車椅子の利用者にとれば避難所の段差が大きな障害になっている。トイレも使いにくい。阪神・淡路大震災や
東日本大震災でも多くの障害者が自宅での避難や車の中での避難を強いられたという、こういう経験が出されています。
このことがどう生かされて準備されているのか。その辺についてどうでしょうか。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 総務部長。
(総務部長 中瀬政男君 登壇)
○総務部長(中瀬政男君) 指定避難施設における要配慮者への対応でございますが、指定避難施設は災害により自宅での生活が困難な人々が、公営住宅や応急仮設住宅に一時入居できるまでの一定期間生活を営む場でございます。大勢の人が広い場所で生活するため、多岐にわたる要望やニーズが生じてまいります。そうした中で、特に要配慮者に対する生活環境への配慮という重要性は認識しているところでございまして、施設面では学校等の施設改修に伴うバリアフリー化を初め、衛生面では簡易トイレと処理セット、個室テントを備蓄しているほか、ポータブルトイレの設置についても現在検討しているところでございます。
プライバシー確保の面では、段ボール製の間仕切りを順次整備していくとともに、市内業者と災害時にこうした間仕切り等、段ボール製品の提供を受ける協定も締結しております。これまでも平成23年の紀伊半島大水害時には、本宮地域の避難所において、業者から提供いただいた段ボールベッドを設置するなど、避難所における要配慮者対策に取り組んでまいりました。
また、長期にわたる指定避難施設での生活ということで、特別に配慮が必要な場合は、福祉避難所、先ほど
保健福祉部長からも答弁申し上げましたけれど、この協定をふやしていくという取り組みもしております。
以上でございます。
(総務部長 中瀬政男君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 先日、段ボール製のトイレとか、間仕切りについてお話を聞かせてもらって、締結している会社に電話してお話を聞かせてもらったのです。そうすると、発災してからそれに対応するということで、数日あれば十分対応できるというお話を聞きました。そうしたことについては、今までの経験を生かしたということになっていると思うのですが、それだけではなかなか難しい問題もあると思います。
次に、避難所における支援活動、災害時要援護者の方が避難所で生活を送る場合には、トイレへの移動といったことがしやすい場所を提供する。情報提供が受けやすい場所など、できるだけ環境条件のよい場所に避難できるように配慮してくださいと書かれています。
聴覚障害者の方は、ふだん家では、テレビを文字放送、字幕つき放送で見ておられる方が多いと聞きます。聴覚障害でなくても、高齢で耳が聞こえにくい。そういうことで困っている高齢者も多いということで、避難所に設置するテレビには、そういう配慮が必要ではないかと思います。
それから、情報は視覚によって得るものが多いため、視覚障害者にはなかなか伝わらないということがあったり、避難所での生活は、日常生活と異なるため、困難をきわめると言われています。知り合いの方にも視覚障害の方にもお話を聞いたら、なかなか避難所で生活するというのは難しいということを言われています。要援護者が避難所での生活を余り不自由なくできるように、先ほど言ったようなトイレに移動しやすい場所とか、情報提供がしやすい場所とか、できるだけ環境条件がよい場所にということが言われているのですが、そのような配慮は考えられているのでしょうか。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 総務部長。
(総務部長 中瀬政男君 登壇)
○総務部長(中瀬政男君) 指定避難所の要配慮者に対する情報提供なり、いろいろな配慮についてどのように考えているのかということでございます。先ほど答弁申し上げたところと少し重なると思うのですが、一定期間、指定避難所で生活していかなければならないということでございますので、市の災害対策本部の避難所班が、やはり個別に要配慮者の状況を把握するということが一番大切かと思います。
その中で、自主運営している皆さん方の御協力等も得ながら、個々の対応というのを考えていかなければならないと考えております。
もう一点は、先ほどと繰り返しになりますが、そういう要配慮が必要とされる方につきましては、専門的なケアが受けられる福祉避難所等で対応していくということを考えております。
以上です。
(総務部長 中瀬政男君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 福祉避難所については、また後でお伺いしますが、すぐに避難する場所となると、指定避難所というか、そういう場所になると思うのです。福島のほうでも聞いたのですが、大きな体育館などの避難所というのは、最初に避難してきた健康な方は皆さん壁際に避難されるのだと。おくれて避難してくる障害を持っている方は真ん中しかあいていないので、なかなかそこの場所に行き着くのが難しいのだと。その中でいたら、移動トイレだったり、いろいろなことに困難が生じてくるということを言われていたので、各避難所の責任者にはその辺を十分対応してほしいと思うのです。
福島県へ視察に行ったときにもう一つ言われていたのは、避難所に要援護者というか、障害者がほとんどいなかったということでした。やはりそれは指定避難所で生活するというのは障害を抱えている人にとって、いろいろ困難なことがあったので、そういう状況であったと。そして、避難所の責任者の方に障害者の方の問題について聞いても、全然わかってくれなかったということも言われています。そういう教訓、経験を生かして、やはりそうしたことにも十分配慮できる避難所ということが必要になってくると思うのです。
そして、もう一つ、避難所に入れずに、自宅や車などで生活される方もおられると思うのですが、その場合に、食料や避難物資が届かなかったということも多く言われています。その辺について、十分検討されているのかどうか、お伺いします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 総務部長。
(総務部長 中瀬政男君 登壇)
○総務部長(中瀬政男君) 避難所へ来られていない方への対応をどう考えるかということでございます。今、言われましたように食料等、いろいろな問題がございますので、これはやはり情報提供というのをしっかりしていくと。防災行政無線であるとか、いろいろな方法がございますので、それらを駆使しまして、情報をできるだけ届けていくということをしていかなければならないと考えております。
以上です。
(総務部長 中瀬政男君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 防災行政無線とか、いろいろな情報手段は大災害のときには、なかなかすぐに復旧することにはならないと思うので、やはり安否確認がきちんとできた後に誰がどこに避難しているかというのが見えてくる。そうしたら、すぐにそういう方々、被災しているけれども、自宅で生活している人、車で生活している人、それを早くつかんでその人にもきちんと届くようなことができるのだと。できるだけ安否確認を早くすることが必要だと言われています。そういうことを十分生かしてもらえるようにしてほしいと思います。
次に、先ほどから出ています福祉避難所についてお伺いしたいのですが、平成20年6月に福祉避難所設置運営に関するガイドラインというものが日本赤十字社から出されています。福祉避難所の対象者となる現況等を把握という項目で、都道府県市町村は、災害時において福祉避難所の対象となるものを速やかに福祉避難所に入所させることができるよう平常時から対象者の現況等を把握することが望ましいと記載されています。
また、福祉避難所として利用可能な施設の把握をうたっています。田辺市はどこまで取り組みができているのでしょうかということで、これは2日ほど前に原稿を書いたのですが、きのうの紀伊民報に数字が出ていまして、聞き取りのときにもこの数字は聞かせてもらいましたけれども、たきの里が高齢者対応で20名、障害者対応ではのぞみ園10名、第二のぞみ園4名ということで、三つの施設と提携できたということでした。先ほどからの答弁で一般の避難所では対応できない方には福祉避難所的なところということを言われているのですが、要援護者の数から言えば、今のままでは不十分だと思います。その辺について、今後の考え方というか、どう進めていくのか、お聞かせください。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(塚 寿雄君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 田中 敦君 登壇)
○
保健福祉部長(田中 敦君) 福祉避難所の関係でございます。新聞等でも発表しておりますように、高齢者施設は1法人1施設、それから障害者施設は1法人2施設ということですが、現在、間もなく協定を締結する障害者施設1法人2施設等がございます。
それから、先ほど議員が言われた日常的な安否確認等も含めた協定書については、全ての法人ではございませんが、法人との話し合いの中で日常の見守り等も含めての協定締結を行ってございます。
以上です。
(
保健福祉部長 田中 敦君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 福祉避難所というのは、今の段階ではなかなか十分ではないということはそのとおりだと思うのです。この日本赤十字社が出している福祉避難所のガイドラインの中で、福祉避難施設が不足する場合は、公的な宿泊施設またはホテル、旅館等を利用しても差し支えないという書かれ方をしております。田辺市は、そのようなことは十分考えられているのでしょうか。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 総務部長。
(総務部長 中瀬政男君 登壇)
○総務部長(中瀬政男君) 災害時の宿泊施設の利用でございますが、災害時における民間宿泊施設の避難所としての利用は、平成19年にかんぽの宿紀伊田辺、平成24年に川湯温泉の山水館を経営する浦島観光ホテルと災害における避難場所等の提供に関する協定を締結しており、また平成23年の紀伊半島大水害時には、本市の被災者の方が県の一時受け入れ制度により本宮、白浜、那智勝浦町の宿泊施設を利用した経緯があることから、今後におきましても、こうした対応を積極的に検討するとともに、公的な宿泊施設の活用につきましても検討してまいりたいと考えております。
以上です。
(総務部長 中瀬政男君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) これも南相馬市で聞いてきた話なのですが、福島県では福祉避難所として他県の温泉地の旅館を指定してもらって集団で避難したのだということでした。要援護者・障害者の家族、そしてその世話をするヘルパーさんなどの家族、そういう方々が数十人で一つの旅館、ホテルに行って、そしてプライバシーも守られて、日常の生活に近い、そしてお風呂もちゃんと入れる、食事も心配ないという形で行われたのだと。それでその人の言っていたのは早い者勝ちなので、できるだけ早くそういう対応をするほうが、戻ってくるときも元気な形で戻ってこれると。ずっと大きい避難所で生活していたら、いろいろなストレスとかで皆さんへとへとになって、生活にいろいろな差しさわりが出てくるということを言われていたので、そういう対応がすぐにできるように考えていただきたいと思います。
次に、仮設住宅の問題についてお伺いします。大災害が起こった場合に、田辺市にはどれぐらいの仮設住宅を建てられるスペースがあるのか、お伺いします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 建設部長、林 誠一君。
(建設部長 林 誠一君 登壇)
○建設部長(林 誠一君) 議員御質問の仮設住宅の用地確保については、避難所でのプライバシーの問題や生活環境が不便なことから、早急に被災者が安定した生活ができる住宅の確保が必要になります。その場合、市営住宅や県営住宅等の公的住宅や県が借り上げる民間賃貸住宅への一時入居を優先して進めることを基本として、並行して市が用地を確保し、市の要望により県が応急仮設住宅の建設をすることになります。
その用地は、長期的な使用となることも想定されることから、公有地を原則とし、学校グラウンド等は教育上支障が出ることから避けて選定することになります。また、浸水や土砂災害など二次災害の危険性のない箇所や道路・上水道・電気等のインフラ整備状況等を勘案し、選定することも重要です。
そのような中、現在、市で応急仮設住宅用地として検討している箇所は、9カ所、約5.4ヘクタールで、約540戸の建設戸数を想定しております。今後も利用可能な用地の検討を進めてまいりたいと考えております。
以上です。
(建設部長 林 誠一君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 先ほど家の倒壊などで2万2,000棟余りと言われていたので、この数ではなかなか賄い切れないというのはわかることだと思うのですが、その仮設住宅についてお伺いしたいと思うのですが、
東日本大震災時に、車椅子のまま生活できるような仮設住宅はなかった。そして、今、部長が言われたように民間の借り上げ住宅は重度の
身体障害者にとっては住みにくい構造だった。それから、仮設住宅には高齢者の人が多く入るということで、これはことしの3月2日に出ている宮城県の調査結果ですが、県内の仮設住宅の現状ということで、高齢化率が43.8%となっています。仮設住宅居住者の2人に1人は65歳以上という形になるのですが、そういうことを考えますと、今までのプレハブ式の仮設住宅では、長期にわたって避難することになったら、なかなか生活しづらくてという問題が出てくると思うので、これも今までの教訓で規格自体をユニバーサル化する、そういうことが求められていると思うのですが、その辺について、どのようなお考えなのかお伺いします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 建設部長。
(建設部長 林 誠一君 登壇)
○建設部長(林 誠一君) 議員御質問のユニバーサル化ということについてお答えします。
恒久住宅であり、仮設住宅よりも長期的に生活される住宅であることから、要配慮者を含め、誰もが生活しやすい計画を今後検討してまいりたいと考えております。
以上です。
(建設部長 林 誠一君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君)
東日本大震災のときには、各県や市町村によって仮設住宅の建て方が違っていて、宮城県はいち早くプレハブの仮設住宅をたくさんつくって、いろいろな問題が出てきて、かなり不評だったと私は記憶しています。あるところでは、自分のところの木材を使って一戸建てに近いような仮設住宅を建設した例もありますので、部長が言われたように、皆さんが住みやすいような仮設住宅の建設をしっかり検討して、できるだけ早く対応してほしいと思います。
次に、復興住宅についてもお伺いします。
今、仮設住宅でも同じことを聞いたのですが、やはり復興住宅もいろいろな会議の中で障害者の方の意見も踏まえて被災者の皆さんが安心して住めるユニバーサル化したデザインの住宅を建設していかないと、仮設住宅から復興住宅に移って、それ以前よりも生活しづらい住宅であれば大変不便になると思います。その辺の考え方としてはどうでしょうか。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 建設部長。
(建設部長 林 誠一君 登壇)
○建設部長(林 誠一君) 議員御質問のユニバーサル化については前回もお答えさせてもらいましたが、今後につきましては、議員も御承知のことと思いますが、木造の応急仮設住宅の建設も考えていきたいと思います。プレハブ形式の応急仮設住宅は建設工期が短く、大量に供給できる長所がありますが、断熱性不良や結露発生等、いろいろと生活環境の面で短所がございます。平成23年の紀伊半島大水害では、伏菟野の応急仮設住宅には玄関に車椅子用のスロープを設けたり、浴室やトイレには手すりが設置されているものもございますが、完全なバリアフリー化まで至っておりませんでした。議員の御指摘にもございますように、木造の応急仮設住宅は木材が有する優しい質感により、被災された困窮者の方々に少しでも安らぎを感じていただけるよう、今後も努力してまいりたいと考えております。
以上です。
(建設部長 林 誠一君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 本当に大きな災害が起こったら、
東日本大震災でもわかるように、現在4年たっても仮設住宅で生活されている人の数が阪神・淡路大震災のときに比べて物すごく多いということで、阪神・淡路大震災の場合は5年で仮設住宅がなくなったということなのですが、
東日本大震災の場合は、本当に先が見えない状況なので、そういう住環境、先ほども言いましたように、障害のある人、車椅子で玄関へ入っていけないというのがあったということなので、やはりバリアフリー化をすることは、障害のある人だけではなく、高齢者にも普通の人にも優しいということです。二月、三月の生活だったら辛抱はできると思うのですが、長期にわたる場合は、そこまで考えていく必要があると思います。
この災害時の支援について、少し考えてほしいことなのですが、求められる支援の原則の転換というのが
東日本大震災の教訓から出されていて、災害弱者の支援は進化していない。どんな状況が起きてもいつも強者の論理で物事が進んでいると言われています。
そして、従来から厳然とある大量、一斉、公平、画一の支援の原則では、落ちこぼれる人たちがいます。大量を個別に、一斉を適時に、公平を優先的に、画一を多様にということが
東日本大震災を経験した団体から言われています。機動力と迅速性、公平ではなくより困っている人を優先的に、困っている「このとき」「この人」「このこと」への集中的継続的な支援が求められると思いますが、この辺の考えについてはどうでしょうか。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 総務部長。
(総務部長 中瀬政男君 登壇)
○総務部長(中瀬政男君) 議員から
東日本大震災のときの教訓ということで、画一から個別にという基本的なそれぞれの実態に応じた、それぞれのサービスをというお話だったと思います。確かに、災害時には混乱しますので、なかなか議員がおっしゃるように、すぐに個別の対応というのは難しいかもわかりませんし、行政側の体制、例えば地域の皆さん方の自主防災などの体制についても、今、想定しているような体制がすぐさまとれるとは限りません。ですから、災害時の現状に即して、今言われているようなことも含めながら検討していきたいと考えております。
以上です。
(総務部長 中瀬政男君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 今回、この田辺市の手引きを見たときに、物すごく違和感を持ったのです。それは、自助、共助と書かれていて、私自身一番気になったのは、要援護者の支援が難しい場合もあります。それから、
避難支援者の任意の協力による支援であるということを要援護者、
避難支援者双方がよく理解しておくこと。もう一つ、要
援護者支援は地域の皆さんの善意、任意の協力により行われるものである。とにかく自助、共助、そのことだけで善意にすがる、民意にすがるという書き方になっているのです。この文言は私は問題があると思うのです。やはり改めるべきだと思うのです。そして、災害時に公助として何が必要なのかといったら、やはり平常時から災害に備えて、万全な取り組みをしておくことが公助の役割だと思うのです。いろいろなところの各市町村の資料を見ても、発災時当初の段階では、公助の力はなかなか及ばないと言われています。しかし、災害が起こったときに、すぐさま対応できるようにするのが公助だと思うのです。それは地域のコミュニティーの問題であったり、その取り組みのいろいろな打ち合わせであったり、要援護者一人一人の対策だったりということをきちんとすることが公助だと思うのです。
そのことをお願いして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 以上で、3番、久保浩二君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(塚 寿雄君) この場合、午前11時10分まで休憩いたします。
(午前11時00分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(塚 寿雄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午前11時09分)
○議長(塚 寿雄君) 続いて、7番、尾花 功君の登壇を許可いたします。
(7番 尾花 功君 登壇)
○7番(尾花 功君) 7番、紀新会の尾花です。議長より登壇のお許しをいただきましたので、通告に従い、ただいまより一般質問をさせていただきます。
今回は、大規模災害時におけるライフライン、飲料水の確保について、ふるさと応援寄附金(ふるさと納税)についての2項目を一問一答方式で質問していきたいと思います。
まず、最初の質問ですが、大規模災害時におけるライフライン、飲料水の確保について6点お聞きしたいと思います。
まず、1点目は、田辺市防災対策アクションプログラムについて、平成26年3月末での進捗状況が出ていますが、水道部に関する分野別施策の12ライフライン対策推進のアクション項目中、45浄水場、配水池等の耐震化実態調査及び田辺市水道施設設計耐震化計画の策定、46浄水場、配水池等の耐震化、47ライフライン関連機関との連絡体制の強化、48携帯電話の不通話地域の解消の4項目のうち、最初の45浄水場、配水池等の耐震化実態調査及び田辺市水道施設耐震化計画策定の1項目が、計画どおりに進んでいないとなっていますが、策定した計画が進んでいない原因と今後の対策についてお聞かせください。
(7番 尾花 功君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 7番、尾花 功君の質問に対する当局の答弁を求めます。
水道部長、惠中祥光君。
(水道部長 惠中祥光君 登壇)
○水道部長(惠中祥光君) 議員御質問の1点目、大規模災害におけるライフライン、飲料水の確保についてお答えします。
田辺市防災対策アクションプログラムの浄水場配水池等の耐震化実態調査及び田辺市水道施設耐震化計画の策定が計画どおりに進んでいない状況についてでございますが、まず、配水池につきましては、今年度中に耐震診断を終了し、その結果に応じて二次診断及び耐震補強を行っていくところまで進んでおります。
また、小泉浄水場におきましては、管理棟やポンプ室の耐震補強を完了し、続いて緩速ろ過池と浄水池の耐震診断、その結果に応じた耐震補強を実施するところとなっておりました。ところが、平成17年度に和歌山県より公表されました東海・東南海・南海3連動地震による被害想定では、小泉浄水場は津波による浸水域でなかったのが、その後の
東日本大震災の発生により被害想定の見直しが行われ、平成25年3月に和歌山県より公表された
南海トラフ巨大地震の津波浸水想定に基づき、田辺市が平成26年3月に作成した田辺市津波ハザードマップでは、小泉浄水場が浸水域になったことから、当初、計画していたものだけでなく、取水ポンプ設備、緩速ろ過池、送水ポンプ設備、自家発電設備の浸水対策を含めた施設全体を見直す必要が生じたことにより、新たに計画策定に取り組んでおります。
今後につきましては、小泉浄水場を含めた水道施設全体の見直しを行うなど、大規模災害時における飲料水の確保に向け努めてまいりたいと考えております。
以上です。
(水道部長 惠中祥光君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 尾花 功君。
(7番 尾花 功君 登壇)
○7番(尾花 功君) ありがとうございます。次に、災害対策マニュアルの策定についてですが、平成21年7月に策定されています田辺市水道ビジョンの中の3.5、現状のまとめの後に災害対策についての項目の中で、水道部独自の災害対策マニュアルが作成されていないので、早期の策定が望まれますと書いていますが、その後、災害対策マニュアルの作成はされているのでしょうか。
(7番 尾花 功君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 水道部長。
(水道部長 惠中祥光君 登壇)
○水道部長(惠中祥光君) 水道部独自の災害対策マニュアルの策定についてでございますが、水道事業者は地震などの自然災害や水質事故、テロ等の非常事態においても生命や生活のための水の確保が求められています。このため、基幹的な水道施設の安全性の確保や重要施設等への給水の確保、さらに、被災した場合でも速やかに復旧できる体制の確保が必要となることから、厚生労働省の指針に基づき、平成22年10月に地震対策、風水害対策、水質汚水事故対策、施設事故・停電対策、管路事故・給水装置凍結事故対策、テロ対策の6項目を策定し、さらに、平成23年10月に新型インフルエンザ対策、クリプトスポリジウム対策、いたずら対策の3項目を追加策定し、9項目からなる田辺市水道事業危機管理マニュアルの策定を既に完了しております。
以上です。
(水道部長 惠中祥光君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 尾花 功君。
(7番 尾花 功君 登壇)
○7番(尾花 功君) ありがとうございます。続きまして、3点目ですけれども、非常時の給水機能強化についてをお聞きしたいと思います。これも平成21年7月に策定されました田辺市水道ビジョンの中の災害危機管理体制の強化、充実の項目に記載されています。非常時の給水機能強化について3点お聞きしたいと思います。
まず、一つ目の配水池容量(備蓄量)の充実では、市全体で1日分以上の貯留能力を確保するための配水池容量の拡充や配水池区域の再編を検討されていますが、現在の配水池、貯留能力は市全体で何日分が確保できていますか。
また、緊急遮断弁の設置拡大についてお聞きします。
地震災害時に給水拠点となる配水池、浄水場のうち、現在、設置されている緊急遮断弁により備蓄できる量は、応急給水目標水量に対して、最大何日分の水が確保できていますか。
また、備蓄することにより、水質の変化はありませんか。それから、旧市内の上水道のほか、田辺市には、5地区の簡易水道施設がありますが、これらの施設に対する緊急遮断弁の設置状況についてお聞かせください。
(7番 尾花 功君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 水道部長。
(水道部長 惠中祥光君 登壇)
○水道部長(惠中祥光君) 非常時の給水機能強化の配水池貯留能力についてでございますが、配水池貯留能力とは、給水に対する安定性、災害、事故等に対する危機対応性を示す指標であり、配水池総容量を一日平均排水量で割った値であらわし、この値が高ければ、非常時における配水調整能力や応急給水能力が高いと言われております。
田辺市の現在の配水池貯留能力につきましては、中継ポンプ車等の受水槽分も含め、0.99となります。今後におきましては、17施設ある配水池の更新時に容量を見直しすることや、総配水量が年々減少傾向にあることから、平成30年の目標値1日に近づきます。
次に、緊急遮断弁による備蓄容量についてでございますが、上水道区域では、おおむね1,000立方メートル以上の容量を有する配水池に緊急遮断弁を設置しております。
水道ビジョン策定時には、中部配水池、西部配水池、東部配水池、上万呂配水池、岩屋谷配水池の5施設に設置しておりましたが、平成22年度には、芳養配水池、平成24年度には田川配水池の2施設に追加設置しております。
現在、緊急遮断弁が整備されている7施設の配水池で備蓄される容量は、2万3,800立方メートルとなり、消火活動等にも使用するため2分の1の容量1万1,900立方メートルは確保できると考えられます。
厚生労働省が示した応急給水の目標水量で備蓄日数を換算した場合、発災から3日目までは、生命維持のために最小限必要な水量として3リットル、4日目から10日目までは、簡単な炊事、洗面等最低生活を営むための水量として20リットルで、上水道区域の給水人口約6万5,000人分を必要とした場合には、最大10日分となります。
次に、備蓄による水質の変化でございますが、配水池に備蓄した水は、水質基準を満たした水であり、水質に問題はありません。
次に、簡易水道区域への緊急遮断弁設置の状況と普及率についてでございますが、現在、市内で19の簡易水道があり、配水池は小さいもので10立方メートルから大きなものでは500立方メートルまで、全部で64施設あります。このうち、200立方メートル以上の主要な配水池は8施設あり、その中で5施設には、既に緊急遮断弁の設置を終えておりますので、主な配水池で考えてみますと、普及率は62.5%となります。
今後、2年間で残り3施設のうち、2施設に設置を計画していますので、その時点での普及率は87.5%を見込んでおります。
なお、200立方メートル未満の配水池につきましては、平成17年の市町村合併以降の整備事業で築造した6施設の配水池には、緊急遮断弁を設置していますが、それ以前に築造されたものについては、設置されておりません。
2年後には、緊急遮断弁を設置した配水池の容量は、2,904立方メートルになり、上水道区域と同じく消火活動等にも使用するため2分の1の容量1,452立方メートルは確保できると考えられますので、厚生労働省が示した応急給水の目標水量で備蓄日数を換算した場合、簡易水道区域の給水人口約9,000人分を必要とした場合には最大10日分となります。
今後の設置については、費用対効果等も十分考慮して検討していきたいと考えております。
以上です。
(水道部長 惠中祥光君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 尾花 功君。
(7番 尾花 功君 登壇)
○7番(尾花 功君) ありがとうございます。それでは、4点目の給水ポンプ車の配置場所と台数についての質問に移りたいと思います。大規模災害が発生し、配水管が寸断され、断水が発生した場合、すぐに必要となってくるのが給水ポンプ車ですが、田辺市が保有する給水ポンプ車の台数と配備されている場所はどこになりますか。
また、大規模災害になると断水地域が広域になりますが、この場合の対応はどのように考えられていますか。
(7番 尾花 功君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 水道部長。
(水道部長 惠中祥光君 登壇)
○水道部長(惠中祥光君) 給水車の配置場所と台数についてでございますが、田辺市では、維持経費の関係から専用の給水車は保有しておりませんが、車載用の1,000から2,000リットルの給水タンク16基を保有しております。給水タンクの配置場所といたしましては、上水道区域では、小泉浄水場に6基、簡易水道区域では、龍神地域に2基、中辺路地域に2基、大塔地域に3基、本宮地域に3基をそれぞれ配置しております。
さらに、防災備品として500リットルの給水タンクが旧4町村各避難所等に合わせて34基配置されております。このうち、給水の必要のない避難所等があれば、その給水タンクを車載用として使用することが可能であります。
次に、断水区域が広域になった場合の対応についてでございますが、
南海トラフ巨大地震では、断水範囲が広域となることが想定されており、小泉浄水場も被災することを考えて、補給水利の確保として、長野浄水場、秋津川浄水場の両水源を利用することや、学校のプールの水を災害対策用造水機により浄化し、応急給水を行うことになっております。
また、給水方法につきましては、給水基地となる浄水場、配水池から取水した水を給水タンクにより車両で指定避難施設等の給水拠点に運搬し、仮設水槽及び受水槽に給水し、自治会や地域住民、ボランティア等の協力を得ながら効率よく住民への給水対応を行ってまいりたいと考えております。
以上です。
(水道部長 惠中祥光君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 尾花 功君。
(7番 尾花 功君 登壇)
○7番(尾花 功君) 次に、5点目の自主水源についてお聞きしたいと思います。田辺市の上水道は西部水系、中部水系、東部水系、秋津川水系、長野水系の五つの水系に分かれていますが、今回公表された新たな津波ハザードマップでは、水道部がある高雄地区は、以前よりも浸水地域が広がり、会津川からの取水と小泉上水場の機能が失われます。ここで賄われている1日1万立米の水が取水できなくなりますが、対策はどのように考えられていますか。
また、会津川からの取水が長期にわたってできなくなるおそれがありますが、それに対応する自主水源の確保についてもお聞かせください。
(7番 尾花 功君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 水道部長。
(水道部長 惠中祥光君 登壇)
○水道部長(惠中祥光君) 自主水源の確保についてでございますが、
南海トラフ巨大地震の被害想定では、小泉浄水場は津波により2メートルから3メートルの浸水域となっているため、ポンプ設備及び電気計装設備、緩速ろ過池、自家発電設備等の機能が失われます。
しかしながら、小泉浄水場の水源の一つである深井戸では、水中ポンプを使用していることから、浸水被害が抑制され、1~2週間で復旧することが考えられます。また、停電についても、
東日本大震災では3日後に78.8%、1週間後に95.6%の水道事業者が解消していることから、深井戸からの5,000立方メートルの取水は2週間程度で可能となることが考えられます。
さらに、小泉浄水場の復旧には、ポンプ等の機械設備、緩速ろ過池のろ材、砂、砂利等の洗浄及び入れかえ作業等で3カ月程度必要となることが考えられます。
この間の対応といたしましては、用水供給契約を締結している用水供給事業者であり、浄水場の浸水被害が想定されていない上富田町と白浜町からの受水によって対応していきたいと考えております。
また、会津川からの取水が長期にわたりできなくなるおそれや、それに備えるための自主水源の確保につきましては、震災時でも津波の影響を受けない地域における新たな水源の確保など、検討してまいりたいと考えております。
以上です。
(水道部長 惠中祥光君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 尾花 功君。
(7番 尾花 功君 登壇)
○7番(尾花 功君) 最後の項目になるのですが、応急復旧についてお聞きします。阪神・淡路大震災では、応急復旧に約3カ月、
東日本大震災のときには約5カ月を要しています。水道部では、水道工事事業者と災害協定を結んで対応することとなっていますが、大規模災害になるとそれぞれが被災者になってしまいます。このような状況の中での応急復旧対応をどのように考えておられるか、お聞きします。
(7番 尾花 功君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 水道部長。
(水道部長 惠中祥光君 登壇)
○水道部長(惠中祥光君) 応急復旧の対応についてでございますが、平成23年12月1日に上水道区域に簡易水道区域を追加して、市内水道工事事業者の組合と災害発生時における水道施設の応急復旧の応援に関する協定を結んでおりますことから、応急復旧に迅速に対応してまいりたいと考えております。
さらに、田辺市では、公益財団法人日本水道協会に入っていることから、災害時には協会の水道災害相互応援対策要綱に基づき、和歌山県支部に支援要請を行い、和歌山県支部では、県内を6ブロックに分割し、各ブロックごとに水道事業者の相互応援を行うことになっております。
和歌山県支部で対応できないときは、和歌山県支部より近畿2府4県で構成されている関西地方支部に、さらに大規模になれば関西地方支部より、本部に支援要請を行い、正会員1,356の水道事業者で相互応援を行うことになっております。
大規模災害におけるライフライン、飲料水の確保につきましては、被害発生の抑制、影響の最小化及び復旧の迅速化を図ってまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(水道部長 惠中祥光君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 尾花 功君。
(7番 尾花 功君 登壇)
○7番(尾花 功君) 六つの項目に御回答をいただきまして、ありがとうございました。
近い将来必ず来ると言われる大規模地震に対応するため、今後とも取り組んでいただくとともに、作成された9項目からなる田辺市水道事業管理マニュアルが機能するかどうかのチェックも定期的に行い、関係機関と連携を密にして体制を整えていただきたいと思います。また、予算も限られている中ですけれども、配水管の耐震化も順次進めて対応をとっていただきたいと思います。
これで1項目めの質問を終わりたいと思います。
続きまして、大項目2のふるさと田辺応援寄附金(ふるさと納税)についてお聞きしたいと思います。まず、一つ目は、ふるさと田辺応援寄附金寄附者の地元出身者割合についてお聞きしたいと思います。
このふるさと納税制度というのは、地方間格差や過疎などによる税収の減少に悩む自治体に対する格差是正を推進するための新構想として2008年、第1次安倍政権のもとで創設された制度ですが、田辺市の現状は、寄附をいただいている方々の地元出身者の割合は、どれぐらいになりますか。寄附申出書やネットでの申込書には、地元出身者であることを問う項目はありませんが、ふるさと田辺への応援メッセージ等に書かれている内容で判断できることはありませんか。
(7番 尾花 功君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 企画部長、松川靖弘君。
(企画部長 松川靖弘君 登壇)
○企画部長(松川靖弘君) 議員御質問のふるさと田辺応援寄附金の地元出身者の割合についてお答えいたします。
まず、本年度における、ふるさと田辺応援寄附金の状況を申し上げますと、2月末現在で、6,496件、約6,850万円の御寄附を全国からいただいております。そのうち、地元出身者の割合ですが、議員からも御紹介いただきましたが、寄附を申し出ていただく際に、提出いただいている寄附申出書には、地元出身者であるか否かを御記入いただく項目を設けておりませんので、確かな割合は申し上げられませんが、寄附者からのメッセージに地元出身であることがうかがえる内容が記入されている件数に限定して申し上げますと、その割合は1%未満とごくわずかでございます。
(企画部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 尾花 功君。
(7番 尾花 功君 登壇)
○7番(尾花 功君) 今、お聞きした割合では非常に少ないということですけれども、続きまして二つ目は、返礼品の拡大についてお聞きしたいと思います。
この質問は、一点目に聞かせてもらった質問事項につながっていくのですけれども、返礼品目に旧田辺、龍神、本宮、中辺路、大塔の各地区の特産品等を季節ごとに提供していくという返礼品目の拡大はできないでしょうか。
ふるさと田辺応援寄附金という名称からも、拡大することにより、地元田辺市出身の方々からの寄附もふえるのではないでしょうか。お礼の品がもらえるから寄附をするというのは、本来の目的から逸脱しているのではという意見もありますけれども、この制度を利用して、田辺市出身の方々に地元を懐かしんでもらったり、地場産業を応援してもらったりとか、田辺市出身以外の方には、地域の産業や企業をアピールしたり、今までなかなか知ってもらえなかった魅力的な特産品等を発信していくチャンスではないでしょうか。
寄附をいただけるリピーターもふえるということで、いろいろな自治体が手をかえ、品をかえ、取り組んでいることは皆さんも御承知のことと存じますが、今後、田辺市としてもこの返礼品目の拡大を図っていくお考えはありませんか。お聞かせください。
(7番 尾花 功君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 企画部長。
(企画部長 松川靖弘君 登壇)
○企画部長(松川靖弘君) 議員御質問の返礼品目の拡大について、お答えいたします。
御承知のとおり、今や全国的に多くの自治体がふるさと納税制度により寄附をしていただいた方への返礼として、地元の特産品等を贈っているのが現状でございます。本市におきましても、今年度から価値創造プロジェクトの一環として、田辺を知っていただきたい。田辺の梅干しを知っていただきたいとの思いから、梅だる7キログラムを返礼品としたところ、さまざまなメディアで取り上げていただいたこともございまして、先ほども申し上げましたが、現在、約6,500件もの御寄附をいただいており、紀州田辺の梅干し、さらには田辺市の認知度向上に少なからぬ効果があったものと考えております。
こうした中で、ふるさと納税制度を運用するに当たり、議員から御提言いただきましたとおり、各地域の魅力ある産品等を返礼品とすることで、地元出身の方からこれまで以上に御寄附をいただけることも考えられますし、また県外の方が魅力を感じているものを返礼品とすることで、産品はもとより田辺市そのもののPRにもつながるものと考えております。
また、平成27年度の国の税制改正大綱には、寄附金に係る特例控除の上限額を引き上げることが盛り込まれているとともに、税控除を受ける手続の簡素化についても検討がなされていることもございまして、そうした動向も注視しながら、ふるさと納税制度を地域や特産品をPRしていく有効な一つのツールと位置づけ、今後の返礼品目につきましては、どのような設定がより効果的であるか検討してまいりたいと考えてございますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
(企画部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 尾花 功君。
(7番 尾花 功君 登壇)
○7番(尾花 功君) 御答弁いただきまして、ありがとうございます。
今、いただいた答弁はかなり前向きに対応していただけると捉えさせていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。今後楽しみにしていますので、よろしくお願いします。
それと、一昨年12月に議員発議による田辺市紀州梅酒による乾杯及び梅干しの普及に関する条例を制定させてもらっていますので、梅酒も忘れずにお願いしたいと思います。
少し早いですけれども、これで、一般質問を終了させていただきたいと思います。御清聴、ありがとうございました。
(7番 尾花 功君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 以上で、7番、尾花 功君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(塚 寿雄君) この場合、午後1時まで休憩いたします。
(午前11時40分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(副議長 佐井昭子君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 1時00分)
○議長(副議長 佐井昭子君) 続いて、22番、吉田克己君の登壇を許可します。
(22番 吉田克己君 登壇)
○22番(吉田克己君) こんにちは。22番、清新会の吉田克己です。
昼一番の質問になりました。今回は、大きく4点について質問をさせていただきます。
1点目は文里湾架橋について、2点目は指定管理者制度に基づく指定管理について、3点目は共同作業場について、4点目は木造校舎の耐震診断についてであります。4点少し欲張り過ぎたかなという感じがしています。再質問をしないで済むよう、できるだけ前向きな御答弁をいただければと期待をしながら、質問したいと思います。
それでは、通告に従いまして、質問をさせていただきます。
まず、大項目1点目の文里湾架橋について、(1)の文里湾架橋調査費計上後におけるこれまでの取り組みとその進捗についてであります。
平成25年12月定例会におきまして質問させていただきました文里湾架橋の建設についてでありますが、そのとき、私の質問に対しまして、市長から来年度、つまり今年度、環境変化を踏まえた事業効果や諸課題を解決するための手法等について検討の精度を高めるための調査を実施してまいりたいと考えております。そして、その調査結果や市民の合意形成を見きわめた上で、国や県と協議をしてまいりたいという御答弁をいただき、平成26年度におきまして、270万円の調査費を計上していただきました。
その調査委託契約期限はこの3月末やに聞いておるところでありますが、現時点でのその取り組みと進捗についてまず当局の答弁をお聞かせ願います。
次に、(2)の文里湾架橋建設事業に係るその認識と考え方についてであります。今回は、そういった市長答弁を踏まえた上で、質問させていただきたいと思います。前回、平成25年12月定例会で私が質問させていただいた際、その質問の最後に次のとおりまとめさせていただきました。多額の予算も必要でしょう。また、可能性の調査結果にもよるでしょう。漁業協同組合との調整も必要でしょう。文里湾を航行する巡視船やその他の船舶の航路の問題もあるでしょう。もちろんこの事業は県が主体となるものですから、県当局に対する要望もしなければなりません。さらに、何より大切な市民合意が得られるかどうかということもあるでしょう。そのような状況はもちろん承知した上のことではありますが、田辺市のまちづくりを示す田辺市総合計画、あるいは新市建設計画にも継続して明確に位置づけられている施策でありますと申し上げました。そこで改めて今回、文里湾架橋建設事業に係る、その認識と考え方等について少し申し上げてみたいと思います。
まず、1点目は、今申し上げました田辺市総合計画、あるいは新市建設計画にも文里湾架橋構想が打ち出されました当初から、現在まで一貫してその位置づけがなされています。つまり、文里湾架橋についての構想が打ち出されて以来、その位置づけが継続されてきたものであると、私はそのように判断しております。
そして、2点目は田辺町内会連絡協議会、文里湾架橋促進協議会、観光協会の皆さん方への協力依頼等、継続した働きかけもなされてきています。しかも、さきに申し上げましたとおり、平成26年度におきましては、270万円の調査費も計上していただきました。
この件につきましては、真砂市長就任以前の計画でもありますから、きょう、その事業化等について即、判断をしろとか、決断をしろとか申し上げるつもりは毛頭ないのでありますが、私が申し上げました今までの経過や課題からしましても、少なくとも企画部長、建設部長、どちらが担当になるかは別にしましても、そのレベルでの県当局との協議や情報交換ぐらいは行っていく必要があるのではないかと考えるところであります。
少し補足させていただきますと、田辺町内会連絡協議会に対しての協力依頼等につきましては、現時点まで田辺商工会議所がその役割を果たしてきておりますが、基本的には、田辺市が協力体制を働きかけていくのが本来の筋というものではないかと思います。
そういった意味で、田辺市としましても、もう少し前向きに取り組んでいくべきではないかと思うところであります。
そしてもう一点、文里湾架橋について、私の考えからしますと、文里湾架は防災対策でも避難道路でもない、この文里湾架橋は今、まさに市長が取り組もうとしている市内の商店街の活性化、あるいは交流人口の拡大につながる、いわゆる産業道路であり、観光道路ではないかと強く思うのであります。
また、国の指定に準ずる緊急輸送道路となるやにも聞き及んでいます。もちろん、市街地から紀南病院、南和歌山医療センターに最速で通じる緊急時の救急救命道路にもなる大変意義のある文里湾架橋ではないかと思います。考えてみますと、いわゆる市民合意の得られる条件も整っていると思います。決して無駄な公共事業ではないと思います。当局としましても、積極的に取り組むべき事業であると強く思うところであります。
以上、2点について申し上げ、その認識と考え方について、当局の見解をお聞かせいただきたいと思います。1点目はこれで終わります。
次に、大項目2点目の指定管理者制度に基づく指定管理について質問いたします。
指定管理者制度は、住民の福祉を増進する目的をもって、その利用に供するための施設である公の施設について、民間事業者等が有するノウハウを活用することにより、住民サービスの質の向上を図っていくことで、施設の設置の目的を効果的に達成するため、平成15年9月に導入された制度であります。
本制度は、その導入以降、公の施設の管理において、多様化する住民ニーズへの効果的、効率的な対応に寄与してきたところですが、地方公共団体において、さまざまな取り組みがなされる中で、平成22年12月28日に総務省自治行政局長名で留意事項10点が通知されました。
そのうちの1点について御紹介しますが、指定管理者制度を活用した場合でも、住民の安全確保に十分配慮するとともに、指定管理者との協定等には、施設の種別に応じた必要な体制に関する事項、リスク分担に関する事項、損害賠償責任保険等の加入に関する事項等、具体的な事項をあらかじめ盛り込むことが望ましいとあります。
田辺市にありましても、平成17年の市町村合併による新市発足以降、ことしで10周年を迎えるわけですが、合併を契機に産業部所管で22施設など、相当、指定管理施設の委託件数が増加しているのが実情であります。
そこで私が少し気になる点は、もちろん委託契約年数も3年から5年ということで、委託契約の相手方に変更があった施設、また同一相手方によって継続されている施設もありますが、本当に適正に管理されているのかどうか、また効果的に運営がなされているのかどうか等についての確認や精査がなされているのかどうか。こう思うのであります。大変厳しい経済情勢の中で、そういったことがなおざりにされていないかどうか。例えば、指定管理施設の環境や条件に大きな変化がないのかどうか。現在、委託されている指定管理施設の現状や課題、また今、私が申し上げました点について、どう取り組まれているのか、当局の答弁をお聞かせ願います。
2点目はこれで終わります。
大項目3点目の共同作業場について、質問いたします。
まず、(1)の共同作業場の運営についての現状であります。現在、田辺市では昭和59年に芳養大型共同作業場、昭和60年には、文里に3地区大型共同作業場、昭和61年には、元町に天神大型共同作業場が、同じく昭和61年、文里に梅干し加工大型共同作業場が、平成2年には中辺路大型共同作業場が、また、平成3年には、新庄町に冷凍食品加工大型共同作業場の6作業場が、同和対策事業として建設されました。
その共同作業場の協力企業に若干の変更はあったとしても、現在までみずからの企業努力のおかげでもって、継続して頑張っていただいております。そのおかげで雇用人員につきましても、6共同作業場におきまして、215名の雇用が守られています。
同和対策事業として、同和地区住民の雇用を目的に建設された共同作業場ではありますが、現時点での雇用人数215名の内訳を見てみますと、同和地区住民と一般地区住民の雇用の内訳は、同和地区住民が2割から3割、一般地区住民が7割から8割となっています。
ここで、私が強く申し上げたいことは、同和対策事業による同和地区住民の雇用対策から、今では広く田辺市全体の雇用対策に大きく貢献してきている、こう申し上げたいわけであります。その果たしてきた役割たるや、大なるものであると評価しなければならないということです。厳しい経営内容の時期もあったことでしょうけれども、協力企業には、大変感謝を申し上げるところであります。
その現状について、当局の見解をお聞かせ願います。
次に、(2)の共同作業場についての認識と評価について質問します。
昭和44年に同和対策事業特別措置法が施行されて以来、田辺市ではまず同和地区の環境整備に力点を置いて、集中的に環境整備事業が進められ、さらに昭和57年には、同和地区住民の雇用対策について、3地区において300名の雇用対策の必要性から、共同作業場が順次、建設されてきたわけです。これが現在の6共同作業場であります。
雇用人数につきましても、最も多いときで300名の雇用がありました。現在の社会情勢や経済情勢は、まことにもって大変厳しい時期に突入しています。こういった経過からいたしましても、さきに私が申し上げました認識と評価を当局にもぜひしていただきたいと強く思うわけであります。
というより、私からすれば、この共同作業場の経営につきましては、田辺市にも幾らかの責任があるようにも思います。今後の共同作業場のあり方について、改めてその対策を強くお願いするところであります。
当局の見解をお聞かせ願います。3点目はこれで終わります。
4点目、木造校舎の耐震診断について質問します。まず、(1)の進捗状況についてであります。平成26年7月15日、大坊小学校、秋津川小学校、三里小学校、秋津川中学校、近野中学校、小学校3校、中学校2校の計5校の木造校舎等耐震診断に係る発注がなされました。契約の終期は、5校いずれも平成27年2月27日までとなっています。
市当局として、その診断結果についての現状をお聞かせ願います。
次に、(2)の今後の取り組みについての考え方について、お聞かせ願いたいと思います。
2月27日には、その診断結果の成果品が納められていることと思いますが、この木造校舎5校について、教育委員会はどのように判断されるのでしょうか。私は、その診断結果はともあれ、5校には、それぞれの地域の課題やもちろん学校の考え方につきましても、いろいろあろうことかと思いますが、教育委員会として、それぞれの地域の課題や学校の考え方が全て整理された上で、これらの学校に係る学校建築なり、統廃合なりの判断をされるのでしょうか。
私は思います。それぞれの現状を聞きますと、5校全ての課題や考え方が整理されるには、まだまだ取り組まなければならないような課題がいろいろあるやに聞いています。また、相当な時間を要することも予想されます。
ここで、私が申し上げたいことは、5校の中で、いわゆる条件が整った学校から今後の方針について、順次結論を出すべきではなかろうかと思うのです。
なお、この耐震診断は、平成26年度から27年度の2期に分けて実施するやに聞いています。その設計金額は、平成26年度で3,204万3,600円、平成27年度におきましては、3,885万8,400円、計7,090万2,000円となっております。
5校の中で、1回目の診断で、はっきり申し上げて、きょう、あすにでも大きな地震などが起これば、大変危険な校舎もあります。1回目の診断で、十分判断できるのではないでしょうか。率直に申し上げて、5校を合わせると相当額の診断契約にもなります。予算の効率かつ適正な執行から考えましても、先ほど申し上げましたように、条件が整った学校から順次取り組みを進めていくべきだと考えますが、教育委員会の明確な見解をお聞かせ願います。
以上で、4点についての1回目の質問を終わります。
(22番 吉田克己君 降壇)
○議長(副議長 佐井昭子君) 22番、吉田克己君の質問に対する当局の答弁を求めます。
市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 吉田議員から4点にわたる御質問をいただきました。1点目の文里湾架橋については私から、ほかの御質問は担当部長からお答えします。
初めに、文里湾架橋調査費計上後における、これまでの取り組みとその進捗についてでありますが、この調査につきましては、文里湾架橋実現に向け、取り組まれ始めたときから、道路状況等の環境変化を踏まえて、改めて事業効果等を見きわめるために実施してまいりました。
これまでの取り組み状況を申し上げますと、まず、現況の整理として、各道路における交通量を初め、混雑度や旅行速度などの交通概況、そして文里湾への入港船舶の規格や隻数などを把握するとともに、架橋周辺の国道や県道の交通事故履歴について、和歌山県警察本部を通じてデータ収集を行った上で、分析を行いました。
また、救急搬送の現況につきましても、搬送上の問題などを洗い出し、その内容を分析してまいりました。現在の進捗状況につきましては、今申し上げた各種データをもとに課題の抽出や必要性の整理を行っているところでございます。
次に、文里湾架橋建設事業に係るその認識と考え方についてお答えいたします。
まず、文里湾架橋につきましては、平成25年12月議会においてお答えしましたとおり、これが実現すれば、市民生活や経済活動はもとより、救急搬送時等におきましても、重要な路線になると認識しており、市町村合併前においても、その必要性や重要性から田辺商工会議所を初めとする関係団体や田辺市が、その実現に向けて精力的に取り組まれてきたものであると考えております。
そうした中で、先ほど申し上げた調査は、最終の整理ができておりませんので、詳細は申し上げられませんが、交通混雑の緩和や交通安全の向上を初め、中心市街地の活性化や緊急時等において、整備効果があるとの評価も抽出されているところでございます。
今後におきましては、調査結果に基づき、市としての取り組み方針を定めた上で、県との協議を進めていきたいと考えております。
また、文里湾架橋につきましては、壮大なプロジェクトであることから、必要性や整備効果はもちろんのこと、何よりも市民の皆様の思いが重要になりますので、県との協議状況を踏まえ、その点も十分見きわめてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(副議長 佐井昭子君) 産業部長、那須久男君。
(産業部長 那須久男君 登壇)
○産業部長(那須久男君) 議員御質問の2点目、指定管理者制度に基づく指定管理について、お答えいたします。
初めに、公の施設の管理運営につきましては、議員のお話にもありましたが、平成15年の地方自治法の一部改正により、それまでは公共性確保の観点から公共的団体等に管理主体を限定していたものが、地方公共団体が指定する民間事業者等にも行わせることができる指定管理者制度に移行されました。これは、公の施設のより効果的、かつ効率的な管理を行うに当たり、民間の能力を活用して、住民サービスの向上と経費の節減等を図ることを目的としたものですが、これによって、公の施設の管理運営につきましては、個別の業務の一部を委託する場合も含む直営とするのか、指定管理者制度を用いるのかに限定されることとなりました。
こうした中、本市では、平成17年8月に指定管理者制度の円滑な導入及び運営と指定管理者による公の施設の適正な管理を図ることを目的に、指定管理者制度導入に関する指針を策定し、平成18年度から本格的に指定管理者制度の導入を図ってまいりました。
産業部におきましては、道の駅、温泉施設、キャンプ場など22施設について、指定管理者制度に基づく指定管理を導入し、民間事業者等が有するノウハウを活用することにより、住民サービスの向上に努めているところであります。
さらに、指定管理者制度の開始から、10年を経過する中で示されてきた国の助言や全国的な事例等を踏まえ、リスク分担の明確化や損害賠償保険等への加入など、より適正な運営体制への移行を随時行うとともに、業務報告書のチェックや経営不振となった場合における指定管理者からの聞き取り、専門家による経営診断の実施などにも取り組んでおります。
また、平成23年に発生した台風12号による災害以降、観光客の減少等による経営状況の悪化が見受けられる中で、指定管理者に対するモニタリング調査を実施するなど、それぞれの施設の状況把握に努めてまいりました。最近におきましても、観光客の伸び悩み等により、安定的な経営が難しくなった施設もあることから、市と指定管理者の間で連携を密にしながら、現状の確認及び精査、経営改善計画の策定など、経営改善に向けた取り組みを適宜実施しているところであります。
議員御指摘のとおり、こうした経営が厳しい施設を初めとする指定管理施設等につきましては、経営悪化を未然に防ぐ取り組みも重要になってくると考えておりまして、定期的なチェック体制をさらに充実させてまいります。
また、そうした施設につきましては、必要に応じて公認会計士等の専門家の御意見をいただきながら、経営改善に向けた厳正な指導に努めるとともに、市の責任と義務をより明確にし、抜本的な見直しを含め、早い段階から対応を図ってまいりたいと考えております。
次に、3点目の共同作業場についてお答えいたします。
まず、共同作業場の運営についての現状でございますが、共同作業場は市内の有力な企業を協力企業として求め、運営を委託し、これらの企業の持つ資本力、販売力、労務管理力等を背景に、経営の安定化を図っていただいているところであります。
最近の経営状況を見てみますと、消費収縮のほか、水産加工業においては、不良による原料価格の上昇や原料不足により、厳しい状況となっております。梅干し加工業においては、平成24年の原料価格の高騰により、利益確保が難しい状況となっておりましたが、現在は幾分落ちつきを取り戻しているとお聞きしております。
また、施設につきましては、随時改修は行っているものの設置してから30年近く経過しているところもあり、老朽化による修繕が少しずつ増加してきております。
雇用状況につきましては、議員の御質問にもありましたように、共同作業場全体で215人が雇用されており、地域における大きな雇用の場の一つとなっております。
このように、各共同作業場の協力企業におかれましては、経済情勢が激しく変化する中、地域の雇用を守るため、日々企業努力を重ねながら運営を継続していただいているものと存じております。
市といたしましては、毎年、就労状況調査、改修及び改修予定調査を行うとともに、2年に1回の共同作業場、状況調査等によりまして、現状把握と課題解決に努めているところでございます。
次に、共同作業場についての認識と評価についてでございますが、先に申し上げましたとおり、共同作業場は同和対策事業における就労対策として設置し、これまで協力企業や地元町内会の御尽力により地域雇用に大きな役割を果たし、現在も市内の大きな雇用の場として、重要な施設であると認識しております。
市では、運営を委託した協力企業との契約によって、共同作業場における事業活動を認める一方で、地域雇用の促進、共同作業場の管理の委任、土地及び建物の利用料の徴収を定めており、共同作業場の利用料は共同作業場基金として天災や抜本改修等の財源としております。具体的には、作業場の維持保全に要する費用及び設備の新設、買いかえ等に要する費用、運営上増改築の必要が生じた場合の費用は、原則企業負担となりますが、設備の新設等により、相応の雇用が見込める場合、または抜本的な改修が生じたときは、共同作業場基金と協力企業がそれぞれ2分の1ずつ負担し、共同作業場基金からの負担分は協力企業の利用料積立残額を上限とすることとしております。
一方、最近の地価下落と建物の経年により利用料が年々減少していることや、施設の抜本改修等による取り崩しもあり、基金積立額が余り増加していかないという状況もございます。
このような状況ではございますが、先にも申し上げましたとおり、共同作業場は地域の雇用を守る重要な施設であることから、市といたしましては、共同作業場の基金活用基準について、これまでの経緯と趣旨を踏まえ、共同作業場運営委員会の御意見も伺いながら、庁内の課題検討委員会において、十分に協議してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(産業部長 那須久男君 降壇)
○議長(副議長 佐井昭子君) 教育次長、小川 鏡君。
(教育次長 小川 鏡君 登壇)
○教育次長(小川 鏡君) 議員御質問の木造校舎の耐震診断についてお答えします。
まず、耐震診断の進捗状況についてでございますが、現在、木造校舎等の施設を有する学校のうち、昭和56年以前の古い耐震基準に基づいて建築された学校が小学校では大坊小学校、三里小学校、秋津川小学校の3校、中学校では秋津川中学校、近野中学校の2校と合わせて5校ございます。これら5校には木造校舎が11棟、木造の講堂が2棟あり、現在も使用されておりますが、いずれの建物も昭和20年代から30年代に建築したものがほとんどで、施設の老朽化に加えて、雨漏りやシロアリ被害など、随所にふぐあいが生じてきており、その都度応急的な施設の修繕により対処しているというのが現状でございます。
このような中、平成21年度から取り組みを進めてきました非木造校舎等の耐震化につきましては、現在、建てかえ事業を実施中の新庄小学校を除きまして、平成27年度で予定していた事業の完了が見込まれることから、本年度から残る木造校舎等についても耐震化の取り組みを進めるべく、耐震診断を実施したところでございます。
当初の計画では、木造校舎の耐震診断につきましては、平成26年度と平成27年度の2カ年に分けて実施する予定としていたため、本年度は5校13棟のうち、約半分に当たる6棟の校舎について実施し、つい先日、その報告書が提出されたところでございます。報告書の内容につきましては、今後、しっかりと精査してまいりたいと考えておりますが、その概要を申し上げますと、大規模な地震の震動及び衝撃に対して、倒壊する可能性が低いという評点を得たのが1校の1棟のみであるのに対しまして、残る4校の5棟については、評点に幅はあるものの、倒壊する可能性がある、または倒壊する可能性が高いといういずれも基準値を下回る診断結果が出ており、耐震改修または建てかえ等の対応が必要であるという状況でございます。
次に、今後の取り組みについての考え方でございますが、今回の診断結果を踏まえ、それぞれの学校施設の整備方針について、十分検討してまいりたいと考えておりますが、今回、診断を実施した学校は、近年の少子化に伴う児童生徒数の減少などもあり、将来を見通した学校のあり方や地域の実情等を十分考慮しながら検討する必要があると考えておりますが、学校それぞれに抱えている課題や地域の実情なども異なるため、学校によっては協議・調整に相当の期間を要することも考えられます。
しかしながら、学校施設は児童生徒が一日の大半を過ごす学習の場、生活の場であるとともに、災害時には地域住民の避難場所としての役割を担うことにもなり、その安全性の確保は極めて重要であることから、できるだけ早期に整備方針を構築しなければならないと考えており、議員からもお話がございましたように、協議・調整が整った学校から順次整備方針を示し、早期に事業化につなげていくよう積極的に取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
また、耐震診断について、当初の計画では、2カ年で実施することとしておりましたが、本年度に実施した建物を除く未実施の5校7棟につきましては、建築した年代や構造が似通っており、目視による老朽化の状態にも大きな違いが見られないなど、今回の診断結果をもとに推測が可能であると考えられるため、また、早急に対応する必要があることから、新たな耐震診断は実施せずに、今回の診断結果をもって方向づけをしてまいりたいと考えておりますので、あわせて御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
(教育次長 小川 鏡君 降壇)
○議長(副議長 佐井昭子君) 吉田克己君。
(22番 吉田克己君 登壇)
○22番(吉田克己君) ありがとうございました。冒頭申し上げましたように、期待をさせていただきながらの質問でありましたけれども、4点について比較的前向きな御答弁をいただけたものと、そう受けとめさせていただきます。したがいまして、再質問はしません。
ただ、最後に4点について少しまとめさせていただきたいと思います。
まず、文里湾架橋ですけれども、文里湾架橋につきましてはどう考えてみましても、今日までの経過からすれば新市建設計画に位置づけしないというわけにはいかないのではないかと思います。
新市建設計画は平成27年度内には策定する必要があるのではないかと思います。合併特例債の延長は平成32年度までです。また、地域審議会も平成26年度が期限切れとなっています。現在の合併特例債の残額、約80億円と言わせていただきます。その位置づけ、配分をどうするかというのも決めていかないといけない。平成32年まであと5年しかない。平成27年度中にはきっちりとしたことを決定していかないといけないというように私は思います。
例えば、文里湾架橋、国土強靭化を使うとしたら、これはまた市町村計画なりきちんとした基本計画を県や国に報告をしなければ対象にならないということだと思います。私がここで言いたいのは、平成27年度というのは、合併10周年、あと特例債の5年を控えて、田辺市にとってはもしかしたら今までで一番大切な年が、平成27年度になるのではないかということを申し上げたいと思います。
それともう一点、県との協議ですが、先ほど具体的に企画部長か建設部長と言ったのだけど、僕も行政経験がありますから、これだけ話題になっていたら建設部長や企画部長は県の建設部長からいろいろ聞かれると思う。実施する実施しないは別にして、そのときに田辺市として何も方向が定まっていないとか、市民合意を得てきちんと同意を得て実施するというプロジェクトだから、今からやりますと言っても逆に実施できないこともある。1回目の質問で私があえて具体的に企画部長と言わせてもらったのは、田辺市のプロジェクトだったら企画部長、そう言いながら建設に係ることだったら建設部長、私にはどちらかが判断がつかなっかったので、そういう表現をさせてもらったのだけれども、その辺は市長から担当部長に、こういう県とのやりとりといったことについては自信を持ってやれとか、思い切ってやれとか、そういう指示も出してやっていただきたい。出していただければありがたいと思います。ぜひ前向きな取り組みをお願いしたいと思います。
2点目の指定管理者制度に基づく指定管理についてですけれども、1回目の質問は産業部長、私は随分遠回しに質問させてもらったのだけれども、はっきりと言わせてもらえば、委託相手方、委託施設で赤字経営はしていないか、赤字を出していないかと。私はきちんと帳面も見ていないし知らないのだけども、もしそういう状態だとしたら、これは1年たち、2年放置しておいたら、このリスク負担というか、この整理にはまた税金が絡む。もちろん議会の議決も要る。私がここでさらに言いたいのは、早急に取り組んで、早急に結論の方向性を出しておいたほうが、もしも税金を使わなければならないようになっても、市民合意を得られやすい。放っておいてから、税金で対応しなければならないということになれば、部長、これは大変な状況になる。そうなれば議会の議決も得られないと思い、あえてここではっきり物を言わせてもらっています。随分とまだるっこしい、遠回しの質問だと思いながら、産業部長、ひとつその辺よく御理解をいただいて、早急に対応していくということが大切だと申し上げておきたいと思います。
共同作業場についてです。これも前向きな御答弁をいただいたと私は受けとめていますけれども、産業部長、先ほど部長が基金と言ったから、私もあえてここでこれについて少し言うのだけれども、企業側にとれば、基金というのは土地の借料だ。それを市がためて基金にする。100万円かかる何かをするときに、その基金から50万円、企業負担が50万円、それについては私は企業が二重払いしていないかというような思いが少しするわけだ。これ以上詳しくは言わないけれども、その辺も含めて、何とか検討していっていただきたいと思います。
最後に、4点目、木造校舎の耐震診断について。小川次長、改めて適正かつ合理的な予算の執行をお願いしたい。あわせて、対象となっている学校や地域は、学校あり方検討委員会ができてから、検討し始めてから何年にもなるだろう。地域としては、それについても毎晩のように寄り合って、学校を残してほしいとか、いろいろ随分と取り組んできているという地域には地域の、学校には学校のそういう思いがあると思う。だから、これも次長、早目に対応して、地域へもいち早く通知をしてやっていただきたい。
先ほどの次長の答弁の中にあったように、本当に、耐震診断をしなくても、箸で突いたら倒れるぐらいの学校はある。もう少し大きな地震が来たらだめだ。その下には、小さな子供の命がそこで息吹いているのだから。子供の命は大事だ。というような厳しい視点に立って、早く結論を出してもらって、早く判断してもらって、早く地元の学校へ通知してやっていただきたいということを、お願い、御提案をさせていただきまして、私の今回の一般質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
(22番 吉田克己君 降壇)
○議長(副議長 佐井昭子君) 以上で、吉田克己君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(副議長 佐井昭子君) この場合、午後1時55分まで休憩いたします。
(午後 1時45分)
――
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再 開
○議長(塚 寿雄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 1時55分)
○議長(塚 寿雄君) 続いて、1番、川﨑五一君の登壇を許可いたします。
(1番 川﨑五一君 登壇)
○1番(川﨑五一君) こんにちは。1番、日本共産党の川﨑五一です。通告に基づいて質問を行います。
今回は、まちづくりと交通(移動手段)についてという1問について、1時間かけてしっかりと議論したいと思っております。
合併以来、この移動手段の確保の問題については、幾度となく取り上げてまいりました。数えると10回ぐらいこの10年間で取り上げてきたようですけれども、今回は、そこに困っている人がいるから対応するという対症療法的な観点ではなく、交通のそもそもという点からの議論をしたいと考えております。
そして、これから一問一答で幾つか質問をさせていただくわけですが、答弁に立たれる当局の方に最初に一つお願いがあるのですが、質問とプラスして、最初にここ数年で御自身が路線バスや住民バスを利用したことがあるかどうか。そして、またそれはどういったときに利用したのかということをあわせて教えていただければと思います。実際に、職員の方が、いわゆるサラリーマンの方がそういう住民バスや路線バスを利用されているのかという実態についてもあわせて見られればと思っております。
それでは、1問目に入ってまいります。
地域社会における交通が発達する役割とはということで、交通にはさまざまな要素、側面があるかと思うのですが、地域社会に対して、交通というのは一体どういう役割を果たしていると認識されているか、この点についてまずお聞かせいただいて議論を始めていきたいと思います。
(1番 川﨑五一君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 川﨑五一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
企画部長、松川靖弘君。
(企画部長 松川靖弘君 登壇)
○企画部長(松川靖弘君) 議員御質問の地域社会における交通が果たす役割についてお答えいたします。
地域社会における交通、とりわけ公共交通の役割といたしましては、自動車等の移動手段を持たない住民の方々に対して、通勤、通学、買い物、通院などの日常生活を支える活動に対して、移動手段を提供するものであるとともに、観光客が観光地をめぐる際におきましても、その移動手段として、活用するなど重要なものであると考えております。
また、交通の充実に伴い、地域社会に対しても、暮らしやすさの向上やにぎわいの創出などの効果が期待できるとともに、交通により集落間をつなぐことで、地域住民の交流推進や集落維持といった面におきましても、寄与するものであると考えております。
なお、ここ数年間のうちに、路線バスや住民バスを利用したことがあるかということでございますが、住民バスは利用したことはございません。ただ、路線バスにつきましては、市街地を運行する路線バス、これは私用でございますが、利用したことはございますし、また新宮市へ出張した際に、新宮から本宮間を運行する路線バスに乗車したことはございます。
以上でございます。
(企画部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 川﨑五一君。
(1番 川﨑五一君 登壇)
○1番(川﨑五一君) 交通が発達するさまざまな役割について、今御答弁をいただきました。今言われたように、移動手段のありようというのは、また行政のさまざまな分野にも影響を与えているのではないかと考えております。
今、企画部長から御答弁いただいたのですが、若干、幾つかの行政部門にかかわってお聞きしたいのですが、現在、市ではこの間、ずっと中心市街地活性化という問題に取り組まれております。駅前に、かつてのにぎわいを取り戻そうという取り組みかと思うのですが、かつてのにぎわいを失った原因の一つに、交通の体系の変化があるかと思うのですが、この辺についてはどのようにお考えでしょうか。
(1番 川﨑五一君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 産業部長、那須久男君。
(産業部長 那須久男君 登壇)
○産業部長(那須久男君) まず冒頭に、数年の間に利用したことがあるかどうかなのですけれども、私はここ何年かの間には、住民バスも路線バスも利用しておりません。
それと今の御質問でかつてのにぎわいを失った原因として、公共交通の関係があるのではということで、その関係についての御質問であると思います。確かに、駅前の人通りが少なくなった要因としましては、やはりモータリゼーション化によりまして、路線バスなり、JRへの利用客が少なくなったということが大きな要因であるかと思います。
中心市街地については、議員も御存じのように、ここ過去5年間、基本計画の策定をしてきたわけなのですけれども、その中では、町なか環境の整備や集客機能の再構築によるにぎわいの創出を掲げまして、交流人口の増大のため、各種事業に取り組んでまいったところでございます。公共交通機関の利便性の増進に関連する事業といたしましては、歩行者に優しい交通機能の強化を図るとともに、官民協働により利便性の高い交通サービスの提供に努めるということが必要であるとして、さまざまな観点から歩行者に優しい交通機能、あるいは利便性の高い交通サービスの提供に対して、取り組んできたところでございます。
以上でございます。
(産業部長 那須久男君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 川﨑五一君。
(1番 川﨑五一君 登壇)
○1番(川﨑五一君) 中心市街地活性化の問題が今回のメーンテーマではないのですが、やはり今言われたように、駅が人の往来の中心になっていたときには、当然、目的地へ行く際に中心市街地で買い物をすれば、また帰りにそこに少し寄ってから帰ると。公共交通であれば、飲酒しても安く帰られるということもあったのかなと思うのですけれども。
もう一つほかの部門になるのですが、今、市では福祉事業の一つとして外出支援サービスというのを行っておりますが、この外出支援サービスを行っている地域というのは実際どういった地域で行われているか、その共通点等あれば教えてください。
(1番 川﨑五一君 降壇)
○議長(塚 寿雄君)
保健福祉部長、田中 敦君。
(
保健福祉部長 田中 敦君 登壇)
○
保健福祉部長(田中 敦君) 最初に、路線バス、住民バスに乗ったことはあるかということで、数年のうちに乗ったことはございます。理由としましては、前日、マイカーを勤務場所の近くの駐車場へ置き、翌日、路線バスで通勤したという状況でございます。
それから、外出支援サービスを利用する地域でございます。大塔地区、龍神地区、本宮地区で外出支援サービス事業を利用いただいています。その地域の共通性でございますが、みずからの移動手段を持たず、また外出の手段として、公共交通機関を選択することも困難な地域において利用されてございます。
以上です。
(
保健福祉部長 田中 敦君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 川﨑五一君。
(1番 川﨑五一君 登壇)
○1番(川﨑五一君) 同じ質問なのですが、スクールバスはどういった地域の子供たちを対象に走らせているでしょうか。
(1番 川﨑五一君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 教育次長、小川 鏡君。
(教育次長 小川 鏡君 登壇)
○教育次長(小川 鏡君) スクールバスでございますけれども、スクールバスはへき地教育振興法第3条第5号の規定に基づき運行しているものでございますが、小中学校の児童生徒が遠距離のため通学上、多大な不便を来している場合や、学校統合により通学が遠距離となった場合に運行しているものでございます。
それから、路線バス、住民バスの御質問でございますけれども、ここ数年というと大分昔になるのですが、毎年、10回ぐらいは自宅から田辺駅まで利用する生活路線バスに乗っている記憶がございます。
それから、直近でございますが、教育委員会へまいりましてから、熊野古道を歩く機会がございまして、滝尻から中辺路の道の駅まで歩いた際に、車のあるところまで路線バスを使って戻ったということが1回ございます。
以上でございます。
(教育次長 小川 鏡君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 川﨑五一君。
(1番 川﨑五一君 登壇)
○1番(川﨑五一君) ありがとうございます。スクールバスについても、公共交通があるところはスクールバスの代用として定期券を支給するというような形の対応をされている地域もあったと思うのですが、そういうところがなくて、なおかつ距離があるというところにはこういう対応をしているということで、行政のさまざまな場面で、交通、移動を確保するということが非常に多く出てくるのではないかと感じています。
実際、先ほど言われた通勤、通学、通院、そして交流であったり、観光であったりということなのですが、交通手段を持たなくなるとどうなるか。実際、この議場にいらっしゃる方で免許証を持たない方、傍聴の方はわかりませんけれども、恐らくないと思うのです。ほとんどの皆さんが運転免許を持って、生活をすると。しかしこの移動手段を持たなくなるとどうなるか。実際、通勤できなくなるという事態が起きます。実際、私はこの質問をするに当たって、家から市役所まで公共交通で通うとどうなるのかということで、先日試してみました。
私は小松原というところに住んでいるのですが、小松原は住民バスが月曜、木曜にしかないのです。そして始発のバスは、9時ぐらいにしかありませんので、住民バスの場合、9時、12時、3時ということですから、これでは10時に市役所へ来られません。そのためうちの中学生の子供を迎えにくるスクールバスに同乗しまして、7時10分に家を出ました。7時15分に小松原を出発して、栗栖川車庫まで約7キロメートルですが、途中、内井川というところにも小学生がいますので、そこにも寄り、約20分かけて7キロメートル先の栗栖川車庫まで行きます。ここまで200円かかるわけです。
この栗栖川車庫から田辺駅行きの7時半のバスには間に合いませんので、7時50分、これは熊野高校の生徒たちが主に利用しているバスですけれども、このバスに乗ります。田辺に着くのがほぼ50分ぐらい。1時間近くかかるのですね。どうしても朝は渋滞していますから。その運賃が1,050円かかります。そして市役所に着いて、市役所に来るのだったら湊でおりたほうが少し近いのかもしれませんが、市役所から駅まで約1キロメートル、これを歩いてきます。来るときの片道は1,050円と200円で1,250円かかりました。
それから帰りですが、帰りは11時半、12時半にあるのですけれども、その次になると2時50分のバスになります。また帰りも市役所から歩いて、ちょうど確定申告もあるし、税務署へも寄ろう、市民総合センターにも寄ろうと、ずっと回り道をしていきまして、2時ごろに田辺駅へ着いて、バスを待っていたら突然火事の放送があって、そちらのほうへ行ったりしていて、駅へ戻ってきたのが3時になって、2時50分のバスに乗りおくれてしまったと思って慌てたのですけれども、ちょうど通行どめのおかげでバスもおくれていまして、3時10分にバスが来て、何とか乗ることができました。
そして、栗栖川へ帰り、4時前についたのですけれども、教育事務所へ寄ったり、用事をすると住民バスでは帰れませんから、帰りはタクシーを使いました。決してぜいたくで使ったのではなくて、そういう手段しかないのです。そこから家まで7キロですから、2時間弱歩けば着きますけれども、これをタクシーで帰ると2,310円かかりました。タクシー利用なら片道3,360円、往復にしたら6,720円もかかる。実際、もしも私が何らかの事情で免許を失ったりしたら、こういう生活を強いられるんだなというのを改めて感じました。
通勤だけではなくて、買い物にも行けなくなります。こういう方々は行商を利用したり、今はネット販売のような、電話をして、注文をしたらスーパーが持ってきてくれるというのを利用したりすることになります。病院にも通えません。先ほど言われた外出支援サービスですけれども、実数を見させていただくと、龍神ではこの3年間で10人から20人、27人と伸びていますし、本宮でも平成23年から187人、189人、214人、利用回数も延べ人数もふえているという状況で、こういうニーズが非常に高まるようになったなと思ったのですが、中辺路は外出支援サービスがないですから、こういうことも使えない。そのことによって重症化するということも出てくるでしょうし、消防のほうにかかわって言うと、適正利用の問題で救急車でないと通院できないという人たちもいる。タクシーを使うと、利用者の負担が高いということもあると思います。
そしてまた、人と出会えなくなる。先ほど交流の話がありましたが、お年寄りがどうしても引きこもりがちになる。地域は点在集落というか、隣のおうちが離れていて、新聞をとるのは郵便配達員が来てくれるためにとるという方もいらっしゃいます。それすらできなくなっている人たちもいますが、人と話すことがない。
かつて私が子供のころに、おばあちゃんがダイヤル177、天気予報を聞いて、一生懸命お礼を言っていたのを覚えていますけれども、とにかく人の声を聞こうとするとそういうことしかない。人の顔が見られない。こういうことになって、引きこもりや認知症が進むということにもなりかねない。
るる言いましたけれども、交通というのは、住み続けられる地域にするために必要不可欠なライフラインであるということではないかということをまず前段で確認しておきたいと思います。移動手段として非常に重要なものであるという企画部長の答弁でしたから、これについては異論はないと思いますが。それで、2点目の項目に入るわけですが、モータリゼーションの影響ということが先ほど産業部長の答弁にも出てきました。この田辺市の行政に対して、全国的な減少も含めてで結構ですが、一体どのような影響があったかお聞かせください。
(1番 川﨑五一君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 企画部長。
(企画部長 松川靖弘君 登壇)
○企画部長(松川靖弘君) 議員御質問のモータリゼーションの影響についてお答えいたします。
まず、モータリゼーションとは、自動車が社会と大衆に広く普及し、生活必需品化する現象であり、自家用車の普及による車社会化といった意味合いであるものと考えております。
我が国では、戦後の高度経済成長期である昭和40年代ごろから、国民の生活水準の向上による個人所得の上昇と低価格車の普及などに伴い、個人等による自家用車の購入が拡大した結果、急速に車社会化が進展し、これに伴いまして、道路整備等による交通環境の充実が図られた結果、流通コストや使用時間が大幅に変動することで、産業やそれを支える物流の形態にも大きな変化が生まれ、自動車産業の発達に伴う景気の上昇といった経済上の変化などをもたらした一方、個々の生活面におきましては、鉄道やバスといったいわゆる公共交通に頼らない生活スタイルが確立されてきました。
また、公共交通基盤が脆弱な地方におきましては、一世帯当たりの自家用乗用車保有台数が都市圏に比べ高い状況となり、公共交通を利用する方が減少する中で、公共交通事業者の営業収益が悪化した結果、赤字路線の縮小や廃止が進められてまいりました。
さらに近年では、公共交通事業者が破綻をするといったケースがふえてくる中で、公共交通事業者を取り巻く経営環境については、大変厳しいものとなってきております。
当地域におけるモータリゼーションの影響についてでございますが、当地域においても全国的な流れと同様に、急速な車社会化の進展や、生活水準の向上による生活スタイルの変化などにより、鉄道を初め、乗り合いバスの利用が低迷し、特に乗り合いバス事業者につきましては、国県及び市町村からも一定の財政支援を行っているものの、大変厳しい経営環境が続いており、一昨年の10月には、地元の乗り合いバス事業者より大幅な路線の縮小、廃止を伴う乗り合いバス事業の再編計画が示される中で、市内を運行する各路線の廃止や減便などが進められているところでございます。
(企画部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 川﨑五一君。
(1番 川﨑五一君 登壇)
○1番(川﨑五一君) モータリゼーション、車社会化に関するいろいろな影響を御答弁いただきました。乗り合いバス事業者の問題についても、今触れられましたが、これについても、この間行われた規制緩和ですね。実際、公共的性格を持ったものとして、乗り合いバス事業者というのは一定の社会的な必要性もあるし、公共的な役割を持っているということで、さまざまな制度面で守られていたところもあったと。銀行なども融資をしても、公共的な役割があるから潰されないだろうということで融資をしていたけれども、この規制緩和によって自由競争が導入される。もうかる部分にはどんどん入ってくるけれども、先ほど言われたように、不採算路線はどんどん撤退していく。そして、採算が合わなくなれば、赤字で、倒産すらあり得るということで、融資もどんどん縮小する。余計に経営が厳しくなる。こういった規制緩和によって、便利になった地域もあったでしょうが、この人口の少ない当地のようなところでは、負の側面ばかりが直接出たのではないかと感じています。
このモータリゼーションの影響ということでいうと、先ほど光の部分として、車社会化によってさまざまな物流がよくなって、低コスト化とか言われたのですが、一方で、一つは事故、そして公害、大気汚染や騒音、振動、渋滞、これがモータリゼーションの3悪と言われるものです。渋滞に関しては、年間何十兆円もの経済的な損失になるという試算すらあります。実際、歩いて行けば30分で行けるぐらいの距離に、車で行くと30分でつかない。都会では、こういったことが慢性化しているということもあります。
そして、3悪にプラスして4悪として言われるのは、資源の浪費です。輸送や移動効率の悪さ、先ほど低コスト化と言われたのですが、大量にものを運ぶときには鉄道で運ぶほうが安いのですね。人件費も何十両のコンテナを引くのに、運転手1人、車掌1人であったりということですから、こういった意味での問題もありますし、当然、50人が同じ場所に移動するときに、バスで行けば、バスだけの燃料で済むけれども、一人一人で移動すれば50台の車分の燃料がかかると。こういった石油資源の面において非常に移動効率が悪いということが言われるのと、もう一つが先ほど言われた5悪として、公共交通の衰退と言われています。
公共交通に頼らなくなったことによって、結局、公共交通が衰退していくと。これも未来永劫公共交通がなくてもいい社会ならいいのですが、当然、老化によって、公共交通にもう一度頼らざるを得ない時期が来る。もしくは免許取得が可能になる年齢までは当然、これは交通移動困難者になりますから、こういう人たちはやはり公共交通がないと全く移動もできないということにもなってきます。
とりわけ当地のような過疎地においては、実際皆さんも走られてもよく目にすると思うのですが、高齢者のドライバーが非常にふえています。この高齢者が加害者となる交通事故の増加というのも問題になってきています。交通白書の平成25年版では、交通事故による死者数は13年連続で減少となり、ピーク時、昭和45年の1万6,765人の3割以下になったと。非常に交通事故者は減っていると言われています。
しかし一方で、高齢者の死者数が平成13年以来、12年ぶりに増加しているということで、高齢者が事故の加害者被害者となる場合を含めて、亡くなられる方もふえている。
そして、高齢者は他の年齢層に比べて致死率が約6.6倍高いということも書かれています。公共交通のないところで、自動車に頼らざるを得ない高齢者が非常にふえ、こうした事故がふえているということがあるかと思います。児童生徒が公共交通で通学できないので、送迎しなければならないという保護者の負担もあります。また買い物難民の問題もあります。
このように、先ほど道路が整備されたと言いましたが、アメリカ型のこうした道路整備を行えば、マイカー増による公共交通の衰退は容易に推測された事態であります。そして、ヨーロッパでは、こうした事態を事前に予測して対応したということです。パーク&ライドなどで市街地には車を入れさせないと。そして、まちの中では公共交通で移動してもらう。先ほど産業部長も言われましたけれども、歩行者に優しい、利便性のある、こういうまちというのは、今言われたように、公共交通をきちんと守ることによって、可能になってきているというのがヨーロッパでの実例かと思います。
日本でも当然、こうしたモータリゼーションを進めれば、公共交通の衰退というのは簡単に予測されたことだとは思います。政治が非常に無策だった。もしくは自動車関連産業への配慮があったのかなと感じます。今でも、最新の700万円もする燃料電池自動車の購入者には200万円も補助してくれるということですから、車をつくるメーカーには非常に手厚い、今の日本の政治です。国民の利益よりも大企業のもうけを優先する、そうした日本の政治の異常さ、これは原発などでもそうですけれども、再稼働の議論において国民の安全よりも電力会社の利益を優先するといったような日本の政治のゆがみが地域の今日の現状を生み出していると。そうしたことが公共交通の貧困にあらわれているのだと思います。
このモータリゼーションの影響ではほかのこともあるのですが、若干健康面に関して言うと、平成24年国民健康栄養調査結果の概要というものを厚生労働省が出していますが、これで見ると、和歌山県民は非常に歩かない県民だというデータも出ています。女性20歳から64歳の平均1日歩数は6,423歩で、47都道府県中38位です。男性20歳から64歳は、平均6,675歩で、女性よりは歩いているのですが、47都道府県中46位です。ということで、和歌山県民は非常に歩かない。私自身もこちらへ来てから、近くには商店はありませんが、スーパーに行って買い物をするときでも、皆、必死で入り口近くに車をとめようとする。1メートルでも近くにという執念かのように。そして、障害者用の駐車スペースにでもお構いなくとめるという人たちが多々見られるわけです。こういった状況もあります。
では本題に戻りまして、3番ですが、移動困難者ですね。先ほど言ったみずからマイカー等に乗らない移動困難な方々の今後の推移の見込みについてはいかがでしょうか。
(1番 川﨑五一君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 企画部長。
(企画部長 松川靖弘君 登壇)
○企画部長(松川靖弘君) 議員御質問の移動困難者、いわゆる交通弱者の方の推移の見込みについてでございますが、まず移動困難者とは、移動手段を持たない方や公共交通に頼らないと日常生活に大きな支障を来す方と定義をさせていただく中で、その対象となる方につきましては、運転免許の取得年齢に達していない子供や、各種障害や疾患等により運転免許を取得できない方、高齢等の理由により運転免許を返納された方、運転免許は取得しているが、運転する車両等を保有していない方など、さまざまなケースがあるものと想定される中で、一概に移動困難者をつぶさに把握することは難しいと考えております。
こうした中で、議員御質問の今後の推移の見込みをお示しすることにつきましても、なかなか難しいところではございますが、和歌山県警察本部が発行している平成25年度版の交通年鑑によりますと、県人口に占める免許人口の割合について、平成17年では67.0%であったものが、平成25年では、69.9%となり、その割合については年々上昇しております。
また、国立社会保障、人口問題研究所が平成25年3月に公表した田辺市の推計人口では、平成22年時点における14歳未満の年少人口、及び65歳以上の老齢人口の合計が3万2,764人であるのに対して、平成52年時点における同人口の合計が2万8,501人と人口の減少に伴い運転免許の取得年齢に達していない子供や運転免許の返納の可能性が高い高齢者層の人口につきましても、減少するといった推定となってございます。
先ほども申し上げましたとおり、移動困難者をつぶさに把握することはなかなか難しいところではございますが、これらのデータを踏まえる限りでは、移動困難者につきましては、人口に占める比率は高まるものの、その人数につきましては、今後は横ばい、もしくは減少傾向に向かっていくのではないかと考えております。
(企画部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 川﨑五一君。
(1番 川﨑五一君 登壇)
○1番(川﨑五一君) 対策が進んで減るということではなく、人口の絶対数が減るということで、こうした交通弱者と言われるような移動困難な人たちが減る、もしくは横ばいの見込みだという認識ということでした。
ただ、人口が減るということは、すなわち集落で免許を持っている人の数も減る、乗せてくれる人も減るというのが非常に大きな課題となっています。実際、私が住んでいる小松原は20世帯ほどしかないのですが、車がある世帯というのは、4軒か5軒あるかなという感じです。そういう意味では、持っておられる方がほとんどが75歳以上の方ですから、こうした移動に困る方々が今後、絶対数としてはふえないけれども、根強くずっとあり続けるということだと思います。
これまで3点の項目で質問してきたのですが、こうした交通が行政運営上、また地域づくりを行う上でも非常に大切な役割を果たすものだという認識、そして、このモータリゼーションによって、当地がどういう影響を受けてきたか。公共交通の衰退というのは、その影響の一つの側面ではあるのですが、こうした現状を踏まえた中で、今行政としては再編計画等もコンサルのほうに依頼しているという状況ですが、大もとの部分で4点目の地域交通政策というものを持つべきではないか。交通に対する認識も含め、こうした市民生活にとって非常に重要な一つのアイテム、ツールであるという認識を踏まえた上で、行政としてはこういった責任を持っている。行政の責務を明確にする。こうした交通政策が必要ではないかと思います。交通の空白地への対症療法というのではなく、いかに移動自由な地域をつくっていくか。必要悪としてではなく、まちづくりの基本アイテムとして、基本となる政策が必要ではないかと考えますが、それについてのお考えはいかがでしょうか。
(1番 川﨑五一君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 企画部長。
(企画部長 松川靖弘君 登壇)
○企画部長(松川靖弘君) 地域交通政策についての責任といった観点の御質問であったかと思います。こうした中で、議員も御承知のとおり、平成25年12月に交通政策基本法が施行され、同法におきまして、人口減少や少子・高齢化、国際競争の結果、巨大災害の発生など、交通を取り巻く社会経済情勢が大きく変化する中、国民生活及び経済活動にとって必要不可欠な基盤である交通に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、交通に関する施策について基本理念を定めるとともに、国や地方を初め、国民や交通事業者の役割などが位置づけられております。
また、同法9条では、地方公共団体は基本理念にのっとり、国等との適切な役割分担のもと、地域の実情に応じた柔軟な交通政策の実現に向けて取り組むよう示されている中で、国を初め、また交通事業者、そして地域住民等とも十分に連携を図りながら、今後もよりよい地域交通の位置づけに向けて、その役割を果たすよう取り組みを進めていかなければならないと考えております。
(企画部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 川﨑五一君。
(1番 川﨑五一君 登壇)
○1番(川﨑五一君) 行政的なお言葉をたくさん聞いたので、すぐには理解しがたいのですが、市として独自のそうした交通基本法的なもの、交通基本条例であっても構わないのですが、当面制定するというようなスタンスにないという御答弁かと思うのですが、個々、さまざまにあらわれてくる現象面への対応というのも当然必要ですけれども、以前の一般質問でこうした交通権の補償は行政の責務かどうかということを議論した際にも、なかなか責務という言葉は行政は使われませんでした。大変重要な役割を果たさなければならないということをおっしゃるのですが、責務という言葉は使わないということで、私はその根本のところをきちんと共通認識としておくべきではないかと思って、こういう話をさせてもらったのです。
また、この交通政策の制定の必要性とあわせて、担当する交通部門に直接的には責任を負う担当課であったり、専門職員というものを配置すべきではないか。今は企画広報課の中でさまざまな任務を持った職員らがそれぞれ担当を持ってやっているのですが、こうした重要な、まちづくりの基本となる交通に関して、担当の課であったり、専門の職員を配置すべきではないかと考えるわけですが、それについてはいかがお考えでしょうか。
(1番 川﨑五一君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 総務部長、中瀬政男君。
(総務部長 中瀬政男君 登壇)
○総務部長(中瀬政男君) 交通政策の担当課、専門職員の配置の必要性の認識についてお尋ねされました。交通政策については、重要な政策課題の一つであるということは十分認識しておるところでございますので、御理解賜りたいと思います。
なお、議員御質問の住民バスの利用についてでございますが、私、個人的には路線バスを利用したことがございます。
以上です。
(総務部長 中瀬政男君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 川﨑五一君。
(1番 川﨑五一君 登壇)
○1番(川﨑五一君) 重要な政策の一つだということですが、やはり根本になる部分だと。非常に重要な部分だと思うので、ぜひとも横断的にそれぞれの課に位置づけてほしいと思うわけですが、少し時間がないので先へ進みます。
担当課の職員をなぜ置くかというと、私たちもこういう質問をするに当たっては、プロの皆さんを相手にするわけですから、やはりつけ焼刃的な面でもあるけれども、当然一生懸命勉強します。インターネットも使えば、書籍も読んで、政務活動費というものが補償されていますから、こういう本を買わせていただいて、たくさん読ませていただくと。全国的に非常に多くの先進事例が生まれているというのは、この問題は決して田辺に特化した問題ではないですから、全国同じような問題で苦しんでいて、それぞれが本当に地域に合った解決策を見い出している。
こういったことをやはり専任で勉強していただいて、現地も見に行っていただいて、行政に反映すると。一つ一つそれを乗り越えていけば、また次の職員、その職員は次の部署へ移っていけると思います。ずっと置かなければならない課だとは思いませんから、これをとりあえず解決して、次へ行くということで、一旦専任職員を配置するべきではないかと思いました。
次に、5点目の地域課題への対応の基本姿勢ということで、お聞かせいただきたいと思います。
昨年の6月議会で、この路線バスの廃止縮小にかかわって陸平議員がされた質問に対して、企画部長は住民生活に多大な影響を及ぼす可能性がある地域には、応急的な対策をとらなければならないとおっしゃったわけですが、具体的にどのような取り組みをされたのか、お聞かせください。
(1番 川﨑五一君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 企画部長。
(企画部長 松川靖弘君 登壇)
○企画部長(松川靖弘君) このたびの廃止路線に対する応急的な手当てについてでございますが、路線バス事業者から示された再編計画では、平成26年10月以降で公共交通網が空白となる路線につきましては、合わせて11路線ありましたが、このうち6路線については、何らかの対応を行っているところでございます。
残りの5路線につきましては、利用者が極めて少ない路線であったり、近隣に他の路線が運行しているなど、代替対応の必要性が低い路線であったため、地元町内会等と十分協議を重ねる中で、路線バス廃止に伴う代替運行等については行っていない状況でございます。
(企画部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 川﨑五一君。
(1番 川﨑五一君 登壇)
○1番(川﨑五一君) 具体的な話をしたいのですが、この改編によって、中辺路に来るバスで近露の野中のほうまで行っていた最終バスの発車時刻が早くなってしまって、栗栖川まではまだまだあるのですが、栗栖川車庫以上へ上るバスがなくなってしまったと。高校生が7限目まで授業を受けると、近露へはバスでは帰れなくなってしまう。バスでは帰れなくなるという実情が生まれました。少し教育委員会にお聞きしたいのですが、小学校、中学校の教育については当然、教育委員会だと思いますけれども、中学校を卒業した子供たちのこうした移動について、教育委員会というのは全く手から離れてしまう。私たちにはそうした責任はありませんという考えになるのかどうか、その辺についてお聞かせください。
(1番 川﨑五一君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 教育次長。
(教育次長 小川 鏡君 登壇)
○教育次長(小川 鏡君) 教育委員会として、高校生の交通手段の確保については、どういう考えを持っているのかということだと思います。現在、教育委員会で実施しております小・中学生のためのスクールバスというものがございます。これは、へき地教育振興法第3条第5項第5号の規定に基づき、僻地学校の児童生徒の通学手段を確保しているものでございますが、現在、運行しておりますこのスクールバスの経路や運行時刻に支障のない範囲におきましては、高校生の通学にも対応していくということにつきましては、可能ではないかと考えております。
以上でございます。
(教育次長 小川 鏡君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 川﨑五一君。
(1番 川﨑五一君 登壇)
○1番(川﨑五一君) 直接的にスクールバスを高校生のために運行してほしいというところまでは、この件では求めてはいないのですが、ただ高校の授業が何時まであって、この子たちが帰れなくなるよという実情について、学んでいる子供たちというところで言えば、教育委員会はその1年前、2年前までは中学生として、通学手段を保障している。そして高校への通学に係る経済的な補助についても、窓口は教育委員会がされていると思いますから、当然、高校への通学の実態についても計画に反映していただきたかったと思っています。住民にとっては、企画部であるとか、教育委員会だとか、保健福祉部であるという枠組みというのは、余り関係のないことです。余りというか、全く関係のないことです。行政サービスに求めるというところでは、こうした枠を超えて、そうした子供たちの実情であるとか、状況を共有していっていただいて、取り組みをしていただきたいと思います。
そして、この子供たちの対応なのですが、さまざまな対応を求めたときに、当局のほうで言われたのが、公平性に問題がある。そこで子供たちが通えなくなったから、その後の対処、そこだけは何とか対応して送迎してくれという話をすると、ほかにも高校へ通えない地域はたくさんあります。当然、大塔の奥であったり、龍神であれば十分通えるけれども、それ以外の市外の高校には通えないとか、通えない地域がありますと言われたのですが、その公平性の認識についてお聞きしたいと思います。
路線バスの運行にこれまで市独自で補助を行ってきたわけですが、この路線バスの運行に対して行ってきた補助というのは、市民に対して公平な補助だったとお考えですか。
(1番 川﨑五一君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 企画部長。
(企画部長 松川靖弘君 登壇)
○企画部長(松川靖弘君) 路線バスへの補助に関しての公平性についてでございますが、補助する路線数が多い地域の住民が多くの恩恵を受け、補助路線数が少ない、もしくはバス路線自体がない地域につきましては、その恩恵を享受できない中で、公平性といったものが阻害されているのではないかといったことであろうかと思いますが、路線バスが運行されていない山間地域等につきましては、住民バスを運行させるなど、移動手段を持たない住民の方々の移動手段の確保に向けて、取り組んでいるところでございまして、またもともと路線自体がない地域などにつきましては、その地域の状況を見きわめるとともに、お住まいの方々からの要望等を踏まえつつ対応等を検討してまいりたいと考えております。
(企画部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 川﨑五一君。
(1番 川﨑五一君 登壇)
○1番(川﨑五一君) 当然、絶対的な公平というのはあり得ない話なのですが、これまで走っていたバスの減便によって、それまで享受できていた権利が行使できなくなると。こういったときに、その廃止路線に対する対応が公平でなくなるというのが私には理解しにくいのです。ほかにも、そういうことで通えない人たちがあるのだということを言われるのですが、そこで少し聞いておきたい。合併のときには負担は低いほうに、サービスは高いほうにという、これが一つの基準ですよということで言われたと思うのですが、行政は今、公平性の基準というのをどこに置いておられるのですか。
(1番 川﨑五一君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 企画部長。
(企画部長 松川靖弘君 登壇)
○企画部長(松川靖弘君) 公平性の認識についてでございますが、当然、行政といたしましては、さまざまな市民サービスについて公平性の確保を図りつつ、最小の経費で最大の効果を発揮できるよう努めているところでございます。
こうした中で、公平性の基準、また地域交通政策に係るサービス水準をどこに合わせていくのかということについてでございますが。市において、さまざまな行政サービスがある中で、この公共交通サービスにつきましては、民間の交通資源を初め、道路状況や地理的な側面、集落の分布など、地域事情は大きく異なっておりまして、明確にそうした基準であるとか、サービス水準を一律的に捉えることは難しいと考えているところでございます。
(企画部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 川﨑五一君。
(1番 川﨑五一君 登壇)
○1番(川﨑五一君) 難しいのはわかって聞いているのですが、サービスは高いほうにそろえることを目標としなければ、この間の当局の答弁では、ほかの地域にも通えない人がいます。ここにも通えない人がいるから、不公平になります。こんな話をされると、これはサービスは低いほうにそろえようとしているとしか思えない。ですから、午前中の久保議員の話にもありましたけれども、公平から優先的にという話です。必要とされるところ、この間の中越地震のときも行きましたし、紀伊半島大水害のときにも感じたのですが、100人いる避難所に70個しか物資が届かなかった。70個パンが届いたときに、行政というのは配らずに置くという姿勢のところが多々見られるのです。中越に行ったときも本当にそうでした。たくさん物資はあるのですが、人数分がないので配りに行けませんということをおっしゃるので、僕たちが共産党の救援センターのほうで預かって、必要な人に必要な分を配りますという形をとらせてもらったのです。優先的に必要なところへまずできるところからやっていくという取り組みが必要ではないかと。応急的な対応というのを。それでうまいこと行けばどんどん広げていけばいいですし、そういう対応をしていただきたいと思います。
路線バスの問題に触れておきたいのですが、路線バスにずっと補助を行ってきていますが、この路線バスの利用促進に行政として取り組まれましたか。
(1番 川﨑五一君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 企画部長。
(企画部長 松川靖弘君 登壇)
○企画部長(松川靖弘君) 路線バスに係る利用促進ということでございますが、路線バス事業者とは利用率向上、利用促進についても常々協議を重ねているところでございますが、現時点におきましては、市の広報等におきまして、バスだけではなく鉄道であるとか、そうした公共交通の促進について、周知を行っているところでございます。
(企画部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 川﨑五一君。
(1番 川﨑五一君 登壇)
○1番(川﨑五一君) 周知を行っているということは、周知しか行っていないという認識でいいのですか。路線バスが赤字だから補助を出しているのに、その路線バスを皆で使おうとか、先ほど月に10日ほど使われたという職員のお話もありましたけれども、以前、通勤バスの話もしたことがあるのですが、公共交通で通勤する日にしよう、JR沿線に住んでいる人はその日は極力電車で来ようという取り組みがされていないと思うのです。
この補助金の仕組みそのものが、実は非常にややこしいのですけれども、経常経費全体で算出するという方法になっていますから、事業者は赤字をふやす。経費をふやせばふやすほど、補助金額がふえるというシステムになっています。全国的にもそうです。そのことによって、乗り合いバス事業者が最終的に破綻に向かうということになっています。
このことは、両備バスの小嶋さんという方も指摘されていて、この補助金漬けの体制が結局は地域の路線バスを安楽死に導いていく。どんどん赤字をふやすことによって、補助金を得られている。そのことによって息は続いていくけれども、最終的には何ら改善しないということも言われています。
こういうことに取り組んでほしかったなと思います。今後も、ぜひとも取り組んでほしいのですが、ここで若干提案もさせていただきたいと思います。住民バスについてなのですが、以前も取り上げましたが、費用対効果ではなくて、輸送コストの問題なのです。住民バスが1年間に運んだ延べ人数、それと委託料の実績、非常に粗い計算なのですが、委託料でその乗車人数を割ると、一人当たりにしてどれだけの輸送軽費がかかったかというのが出ます。平成23年から25年の実績数をいただいたのですが、24年、25年、26年で委託業者が変わったりとか、契約が変わっていますから、ここで24年、25年を基準に言うと、龍神は一人当たり1,000円までです。本宮についても、1,600円程度です。
しかし、中辺路と大塔については、平成25年の数字で言うと、中辺路は3,962円、大塔では3,861円という金額になっています。バスというのは非常に公平性を担保しているという見た目にはそうなのですが、非常に使い勝手が悪い。ドア・ツー・ドアの時代になじまないということで、利用者が減っている部分もありますから、私はこうした人たちには、タクシーの半額補助という形でも対応できるのではないかと考えています。
大体、うちの小松原から栗栖川まで行っても、2,300円ですから、半額補助してもらえれば1,000円で4回乗れるという形にもなりますので、こういったこともぜひとも検討していただきたいと思います。再編計画案ができ上がってくるでしょうから、その中でもまた議論していただきたいと思います。
余り時間もありませんから、最後に若干まとめさせていただきますけれども、市民の協働ということが、この間、ずっと市政運営のテーマだと言われてきたと思うのですが、もしそういうのであれば、私はもっと地域に入って、住民と顔を合わせて、その住民の声を聞いて、そして職員が出向くことによって、今行政がそういうことに取り組もうとしている、話を聞きに来てくれたという姿勢が伝わると思うのです。一時取り組まれた元気かい!集落応援プログラムの取り組みなども非常によかったです。大臣賞までいただいたのですが、その後、行政局の職員が本当に地域に入って、地域の皆さんのこういった声を聞いているかというと、やはり一時ほどのものはないと思うのです。
こういうことがきちんとできていれば、現状分析もコンサルへの発注ということになっていかなかったのではないかと。もっと、本当に地域の声を積み上げたものになったのではないかと思います。防災、それから獣害対策、主権者教育と公民館の強化、こういったさまざまな切り口、アプローチによるまちづくりというものを提案してきましたが、この交通体系の確立というのは、まさしく市民と行政による共同のまちづくりのテーマになり得ると考えています。前段でも言いましたが、中心市街地に公共交通で容易にアクセスできれば、ランチを食べ、ワインやビールも飲める。そして、道路のハード面だけでなくて、そこを走る、アクセスするソフトを考えるときに来ているのではないかと思います。
かつての議員の皆さんの質問もそれぞれ今回、改めて見させてもらったのですが、合併以来、山本勝一議員であったり、吉本忠義議員、白川公一議員、実際に今、議場におられますが、安達克典議員や塚議員、それから陸平議員、出水議員と、町村部の議員の皆さんは共通してこの問題を本当にずっと取り上げてこられていますから、それだけにやはり重要な課題だと思います。ぜひともこのテーマに市民と協働で取り組んでいっていただけることを心よりお願い申し上げまして、質問を終わります。
(1番 川﨑五一君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 以上で、1番、川﨑五一君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(塚 寿雄君) この場合、午後3時5分まで休憩いたします。
再開時には、議案書を御持参願います。
(午後 2時55分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(塚 寿雄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 3時05分)
○議長(塚 寿雄君) 続いて、14番、松下泰子君の登壇を許可いたします。
(14番 松下泰子君 登壇)
○14番(松下泰子君) 14番議員、松下泰子です。今年度最後の登壇ですので、どうぞよろしくお願いいたします。
通告に従いまして、2項目の質問をさせていただきます。
1番目、田辺市公共下水道事業についてから質問いたします。平成21年3月から平成26年3月まで実施されました中心市街地活性化基本計画は、町なかのにぎわいと居住人口の増加を目的に、62事業のうち、59事業が終了いたしました。この報告書による総括では、若干の活性化が図られたという結果となっておりました。これらのハード、ソフト両面からのアプローチにより、ある一定の成果はあったと私も評価しております。
しかしながら、昨年から駅前商店街でシャッターをおろす店が急増したことに大変心を痛めている人も多いのではないでしょうか。
このような折、私ごとではございますが、私が所属するNPO法人がカフェを出す計画があり、市の主催するリノベーションスクールや商工会議所の主催する創業支援セミナーなどで学ばせていただきました。そこでは、市街地で具体的な店舗探しや1店舗の取り組みから商店街全体への波及効果を狙うなど、その地域の価値を高めるまちづくりとしての経営のあり方等々、よい勉強をさせていただきました。
実際、市街地での店舗探しには、大変苦労したところですが、賃貸物件を借りる条件として、家賃の問題、駐車場の問題、店舗の大きさや周りの環境等々ありますが、その中でもトイレや浄化槽の問題は大きな決定要素になりました。商店街で、特に飲食店を営むに当たっては、悪臭がなくきれいなトイレは必須条件になります。
多くの物件を当たってみて、駅前商店街、味光路かいわい、北新町商店街などの密集地において、単独浄化槽でくみ取りをしている店が多いことに今さらながら驚きました。それがネックで、なかなか借り手が見つからないのも商店街の活性化を阻む一因となっているということがわかりました。
商店街の役員さんも、このことに頭を悩ませていました。この密集地では、合併浄化槽を入れるスペースがないところもあります。単独浄化槽が壊れた場合はどうするのでしょうか。平成13年に一部改正された法律では、新たに単独浄化槽を設置することはできませんし、合併浄化槽も設置できないとなるとどうなるのでしょうか。御承知のとおり、和歌山県は下水道の普及率が最下位の徳島県に続き、下から2番目です。全国平均が77%に対し、和歌山県は23.5%で、田辺市はわずか0.2%の普及率です。もちろん合併浄化槽や集落排水事業を入れると、生活排水処理率は54%となっているということですが、これで清潔で環境に優しいまちと言えるのでしょうか。
第1次田辺市総合計画の実施計画では、毎回、快適な環境のまちの章で、公共下水道事業への取り組みが挙げられています。これは平成20年3月に策定された田辺市公共下水道事業基本計画をもとにしていると思いますが、その後の経過と取り組み状況はどうなっているのでしょうか、お伺いいたします。
次に、この公共下水道事業の基本計画の目標年次についてですが、施設の耐久年数及び建設時期がかなり長期にわたることなどから、建設に着手してからおおむね20年後を目標としています。
また、田辺市公共下水道事業基本計画が最初に策定された平成元年から2回目の見直しを行った平成20年3月の計画では、当初の計画面積の4分の1に縮小されています。しかし、それでも私は現状に合っていないと思います。
今となっては、合併浄化槽の設置が可能な地域は補助金もあり、個人負担が少ない合併浄化槽の設置を推進して、合併浄化槽さえ入らない駅前周辺の密集地のみを公共下水道の対象にしてもいいのではないでしょうか。
そこで、今回私の提案といたしまして、国土交通省が進めている下水道クイックプロジェクトの整備手法を検討してみてはどうでしょうか。参考資料をごらんいただきたいと思いますが、下水道クイックプロジェクトで実施中の各種新技術は、検証完了後、低コスト、早期かつ機能的な整備が可能になります。地方公共団体が地域の実情に応じた新たな整備手法を導入できるように、国が財政的・技術的支援を行うものであります。既に、全国の14市町村で六つの新技術の中から社会実験を行い、導入に至っています。田辺市においても、一定の範囲の地域だけでも優先的に早く安く整備する手法の研究に着手すべきときではないでしょうか。今後、生活環境の改善や水環境の保全のため、また、中心市街地の活性化のためにこの地域に合った整備手法による事業実施に向けて動き出せるよう研究を進める必要があると考えます。
市としては、どのようにお考えなのかお伺いいたします。
(14番 松下泰子君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 14番、松下泰子君の質問に対する当局の答弁を求めます。
建設部長、林 誠一君。
(建設部長 林 誠一君 登壇)
○建設部長(林 誠一君) 議員からの御質問の1点目、公共下水道事業についてお答えいたします。
最初の一つ目の「公共下水道事業の取り組み状況は」でありますが、当初、平成元年3月に処理区域面積1,190.6ヘクタール、計画処理人口6万1,300人、概算事業費483億円という基本計画を策定しましたが、公共下水道事業の事業規模等の観点から、平成16年3月に処理区域面積407ヘクタール、計画処理人口2万3,500人、概算事業費282億円という修正基本計画を策定いたしました。
その後、さらに事業可能な事業規模の検討を行い、平成20年3月におきまして、事業規模を縮小した処理区域面積275ヘクタール、計画処理人口1万3,320人、概算事業費163億円という修正基本計画を策定し、現在に至っております。
しかしながら、事業を進めるに当たり、平成20年の基本計画から7年が経過し、その間、
東日本大震災発生による3連動地震、
南海トラフ巨大地震等による津波被害の浸水域及び浸水深の変更、人口減少による市街地の空洞化といった状況を踏まえ、縮小したとはいえ、100億円を超える大規模事業であるため、運用後の供用率等財政上の課題等を考慮に入れ、慎重に取り組んでいかなければならないと考えております。
次に、二つ目の駅前周辺の市街地に適した下水道整備手法の研究に着手すべきではないかについてでありますが、議員御指摘の駅前周辺市街地には狭隘な宅地が多く見受けられます。敷地が狭く、家屋が密集しているため、浄化槽の設置スペースが確保できなかったり、単独浄化槽を設置していても、スペースの関係で合併浄化槽に切りかえることができないなど、生活排水対策が困難な地域であることも認識しております。
また、下水道クイックプロジェクトの活用についても、対象地域に見合った手法の検討や建設コスト及び工期短縮等の検討を行わなければならないと同時に、臭気及び騒音等対策のため広い土地が必要な終末処理場の設置場所をどうするかなど、事業面における特性や課題の調整を行わなければなりません。
今後、市における生活排水処理対策につきましては、それぞれの事業の特長を生かしつつ、全体的な整合性を図りながら連携し、整備・管理を行うことが重要であるため、田辺市生活排水等浄化対策連絡調整会議において研究してまいりたいと考えますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
(建設部長 林 誠一君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 松下泰子君。
(14番 松下泰子君 登壇)
○14番(松下泰子君) 御答弁ありがとうございました。確かに公共下水道事業は、市においても住民にとりましても、財政的負担の大きい事業であるだけに、事業実施になかなか踏み切れないのは理解するところでございます。
しかしながら、市街地での必要性は十分認識しておられるとのことですので、国が財政的にも技術的にも支援を行うというクイックプロジェクトに乗ってみてもよいのではないでしょうか。
例えば、参考資料の2枚目の右下にあります工場製作型極小規模処理施設、接触酸化型を導入した北海道の苫前町では、ユニット型の下水道処理施設で、地上にはプラスチックのふたが並んでいるだけで、地下に高さ2.5メートルのタンク約20個が並べられており、微生物で約500人分の下水を浄化するそうです。費用は都市型の本格的な下水道をつくる場合に比べ、約4割減の17億円であったそうです。工期も当初の計画から4年早まったということで、人口減の地方自治体において、安くて早いインフラ整備として注目されているということが地元の地方新聞に掲載されておりました。
開発を進めた国土交通省では、次世代に過大な負担を強いることのない整備が可能になったと強調しています。
田辺市におきましても、具体的に、駅前周辺エリアに合った整備手法で施設建設費にどれぐらいの費用がかかり、住民負担がどれぐらいかかるのか。また、維持費についてなど、試算してみる価値はあるのではないでしょうか。
そして、中心市街地活性化基本計画で未着手となった三栖口市有地をこの下水道施設に活用することは、大きな意義があるのではないでしょうか。今回の提案を真摯に受けとめていただき、今後の実施に向けて前向きな取り組みを要望したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
二つ目の質問に移ります。
定住促進プロジェクトについてです。合併10周年を迎えることし、市町村建設計画を振り返ってみますと、第1次産業を核とした定住促進プロジェクトとして、1、第1次産業の活性化、2、緑の雇用事業等による就労支援、3、UJIターン情報の発信、4、地域受け入れ体制の整備が進められてきました。
合併当初8万2,000人あった人口は、ことし2月末現在、7万8,000人になっています。山間部での人口減少率、高齢化率は特に著しく、高校を卒業して大学、短大、専門学校等へ進学する90%が県外へ流出するという若い世代の減少も和歌山県の大きな問題となっています。何とかこれを食いとめる方策として、移住、定住促進を進めるしかないと考えます。
一方、都会においては、田舎でのスローライフに憧れる人が、年々ふえています。以前は、退職後のついの住みかとして田舎暮らしを始める人が多かったようですが、今は若い夫婦が喧噪の都会で子育てをするよりも、田舎でゆったりとした人間らしい生活をしたいとやってくる人が多くなっています。
私は、この定住促進についてこれまで何回も質問をしてきましたが、県の移住定住促進施策の充実によって、かなり実績が上がっているように見受けられます。特に、移住者の多い龍神村や中辺路町におけるIターンの方々の活躍は目覚ましく、さまざまな分野で地元の活性化につながっています。このようなことから、合併から10年の間の定住促進プロジェクトの実績や自己評価をどのようにお考えでしょうか。お伺いいたします。
二つ目に、移住の実績についてふるさと回帰支援センターが行う田舎暮らし移住先人気ランキングは、大変気になるところでございます。
2012年のランキングでは、和歌山県が10位に入っていましたが、2014年では、20位に転落しました。1位、2位は長野県と山梨県が定席ではありますが、岡山県は震災以降の2013年に3位に急浮上してきました。岡山県は、県全体では転出超過になっていますが、岡山市や倉敷市など、県南部の自治体では転入超過が続いています。特に、ファミリー層に人気が高く、移住するなら岡山県というブームが来ているそうです。
その理由として、原子力災害のリスクが少ない。土地価格の下落傾向が続いていて、移住後に居を構えるのにも余りお金がかからない。岡山県南部には、空港があり、鉄道網や高速道路網が整備されているので、交通の利便性もよく、国内の移動にも適している。市街中心部にマンションが多く存在することで、車がなくても安全に生活していけるセカンドライフの場所として人気が高い。全国的に名が知られている総合病院が岡山県南部に多いこともセカンドライフを考えている高齢者の移住希望者には魅力的であるそうです。市街地を離れると、田園風景が広がり、田舎暮らしを希望する都会の住人にとっては都会的な暮らしと田舎暮らしのいいとこ取りができると評判になっています。
また、先輩移住者がみずからの経験を生かして、後進の支援を行って、かゆいところに手が届くアドバイスが得られるということも移住先として人気を高める要因になっているようです。
このような移住先ランキングの上位となる自治体の取り組みに学ぶところは大いにあると思います。今挙げた人気の理由は、和歌山県、特に田辺市は白浜空港まで約30分で行けるということからも、ほとんどクリアできているように思えます。田辺市は、自然の豊かさに加え、温暖な気候で海の幸、山の幸に恵まれたおいしい食べ物、温泉や世界遺産のまちとして、どこにも負けない資源を有していると自負しております。
その和歌山県田辺市の魅力を発信していくことこそが、人口減少の歯どめとなると考えます。というようなことから、和歌山県が田舎暮らし希望地域ランキングで下落した原因をどのように考えておられるか、お聞かせください。
3番目に、定住促進プロジェクトの地域の受け入れ体制の整備についてです。このことは、前回、平成24年3月議会でも空き家の状況についてお伺いいたしました。そのときも空き家があるが貸してもらえる物件が大変少ないため、供給を満たせないということでした。その後、空き家登録数はふえたのでしょうか。それぞれの地域で聞いてみましても、空き家はあるのに、なかなか貸してもらえないという声は依然として多くあります。
受け入れ体制として、市営住宅については、旧本宮町24戸、旧龍神村50戸、旧中辺路町127戸、旧大塔村176戸、旧田辺市1,018戸という状況です。旧大塔村時代に建設した住宅が多いことから、大塔地域は高齢化率も33.5%と旧田辺市に次いで低い数値となっています。
住宅が多ければ、入居する人も多くなり、高齢化率もある程度抑えられるということではないでしょうか。高齢化率が最も高い本宮町では、新年度予算で訪問介護に従事することを希望するIUターンの方への助成が今議会に計上されていますが、一つの期待の持てる施策であると思います。
人口減少は、全国で例外なく起きていることですが、Uターンの方には仕事、Iターンの方にはまずは住む場所の確保が必要であり、選ばれるまちになるためには、受け入れ体制の強化が求められるところです。
また、県でも新年度予算において、移住・定住大作戦として、年間300世帯の誘致を目指して、移住促進事業を強化しようとしています。これまで、県の施策を活用して定住促進を進めてきたとは思いますが、市としての受け入れ体制は需要に対して十分供給、対応できているとお考えでしょうか、お聞かせください。
1回目の質問を終わります。
(14番 松下泰子君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員御質問の定住促進プロジェクトについての1点目、合併10周年を迎え、市町村建設計画における定住促進プロジェクトの評価については私から、2点目、3点目の御質問は担当部長よりお答えします。
まず、本市においては、過疎化、高齢化が著しく進む山村地域において、地域の維持活性化を図ろうと、元気かい!集落応援プログラムによる集落支援を展開してまいりました。
その中で、平成19年度より第1次産業を核とした定住や移住促進に取り組んでまいりましたが、当市の移住相談窓口を経た移住実績は、平成19年4月からことし1月までで78世帯150名となっており、そのうち約6割の世帯が現在も田辺市に在住されています。
これまでの取り組みにおける自己評価ということについてですが、まずこの移住促進につきましては、県を挙げて行っており、県の移住・交流推進事業に参画している移住推進市町村は、現在、県下30市町村中17市町村にのぼっています。この17市町村の中で、田辺市は一番多くの移住者を受け入れておりますので、一定の評価はできるのではないかと考えております。
この移住実績に関しては、広い市域を有し、さまざまな移住ニーズに応えられる多様な自然環境や生活環境があるということ、さらには世界遺産熊野古道に代表される歴史や文化、また温泉など人々の心と体を癒やす魅力的な地域資源を数多く有していることが大きな要因であると考えております。全国的に移住促進が図られている現在、今後、さらに田辺市の魅力を全国に発信し、選択される田辺市にしていかなければならないと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 森林局長、寺本雅信君。
(森林局長 寺本雅信君 登壇)
○森林局長(寺本雅信君) 議員御質問の定住促進プロジェクトについての2番と3番についてお答えいたします。
まず、2番の田舎暮らし希望地域ランキングが下落した原因についてということでございます。ふるさと回帰支援センターが発表する移住希望地ランキングは、同センターの東京事務所に来た相談者や移住セミナー参加者などへのアンケート調査によるもので、その結果、やはり上位は長野県、千葉県など、関東周辺の県が多くを占めています。和歌山県は比較的早い時期から同センター内で移住セミナー等を行っていた関係から、平成22年度まで上位20位以内にランクインする西日本地域としては数少ない県の一つでした。
従来は、東日本地域の県が上位20県のほとんどを占めていましたが、平成24年は
東日本大震災の影響からか、上位20件中13件を西日本地域の県が占め、和歌山県は10位にランクインしました。その後、首都圏での積極的な情報発信や同センター内へ専属的な移住相談員の配置などを行った県については、上位にランクインしておりますが、残念ながら和歌山県はそれらの県に押され、圏外となったもようです。
ただ、同センターの大阪事務所で行っているアンケート調査では、平成22年以降のランキングは1位か2位ということで、関西地域では依然、移住候補地として人気のある県になっております。こうしたランキングと移住実績には乖離があるようですが、県では再び首都圏での認知度を上げるため、来年度から和歌山県専属の移住相談員をふるさと回帰支援センターへ配置する予定と聞いております。
次に、3番の空き家活用などの受け入れ体性の強化についてお答えいたします。
当市では、平成22年度より空き家活用による移住者の住居確保に努めてまいりましたが、その結果、現在までの空き家登録件数は58件で、うち26件は賃貸及び売買契約済みとなっております。残り32件中8件は劣化が著しいなど扱いにくい物件で、そのほかはほとんどが売買希望のため売れずに残っているという状況です。
移住者の多くは、賃貸物件を希望しており、市といたしましても空き家情報を求めるチラシの配布や集落支援員等による空き家の掘り起こしを行っているところでありますが、お盆や正月の帰省時の住宅として使用しているとか、賃貸によるトラブルが不安である。あるいは老朽化による建てかえや改修する費用がない。置いてある家財を整理するのが困難。また、身内全員の承諾がとれないなどの理由により、貸してくれる空き家が非常に少ないという現状で、需給につきましては、余り余裕のない状況というのが実情であります。
一方、一部空き家の掘り起こしが進んでいる例としましては、今年度、中辺路町近野地域において国の過疎集落等自立再生対策事業補助金を利用して、移住者を積極的に誘致していくことを主体とした事業が実施されており、移住者を受け入れるにはまず住むところが必要ということで、地域住民が直接家主に交渉しています。どこに誰の空き家があるということをよく知っている地域住民が動くことにより、家主にもコンタクトをとりやすく、かつ住民として信頼関係が築けているということで、貸してもよいという空き家が出てきています。
また、秋津川地域では、Iターンで製炭士を希望する若者を地域に紹介したところ、やはり地域の方が貸してくれる空き家を探していただけました。このように、空き家活用に関しましては、地元の協力があれば比較的スムーズに進むということも実証できておりますので、今後は地域とも協働しながら、空き家の掘り起こしを進めてまいりたいと考えております。
また、県では、これまでの空き家改修支援補助金のほかに、過疎地域の空き家を積極的に利活用するため、貸し主と借り主がより容易に空き家の賃貸を行えるようにする和歌山県定住支援住宅管理機構の設置、また空き家バンクの開設や家財整理をすることへの補助金など、さらに空き家活用に力を入れていくことも聞いておりますので、市といたしましても、今まで同様、県と協力をしながら移住推進による空き家活動を実施してまいりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(森林局長 寺本雅信君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 松下泰子君。
(14番 松下泰子君 登壇)
○14番(松下泰子君) 御答弁ありがとうございました。私の今回の質問の趣旨は、空き家の掘り起こしを今まで以上に進めることは難しくなってきているのではないかという懸念からです。もう空き家だけに頼る定住促進は限界に来ているように思われてなりません。
前回の質問で、定住促進としての短期滞在施設が現在、本宮町と龍神村にありますので、新たに中辺路町と大塔地域への設置を計画しているとおっしゃっていましたが、計画実施の進捗状況はいかがでしょうか。特に、移住希望者に人気の高いのは、中辺路地域です。その中でも近野、温川、高原ではIターンの人たちが今大変元気で地域おこしの一翼を担っています。彼らがつくった紀南の移住者たちというサイトでは、若い世代の感覚にするっと入っていくアプローチがなされ、移住希望者がどんどんふえているようです。しかし、困ったことに彼らのニーズに応えられていないのが現状です。空き家探しだけでない別の方法も考えておられるのか、再質問いたします。
(14番 松下泰子君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 森林局長。
(森林局長 寺本雅信君 登壇)
○森林局長(寺本雅信君) ただいまの御質問に対してお答えをいたします。
議員おっしゃいましたとおり、現在、田辺市においてお試しとして滞在する施設として1年間滞在できる短期滞在施設を龍神地域に4戸、本宮地域に2戸整備しており、一定の利用がなされているところです。大塔、中辺路地域につきましては、現在のところ整備できておりませんので、定住促進住宅等で発生した空き家住宅を活用する方向で検討しておりましたが、これまで空きがなかなか発生しなかった状況がございまして、現在までのところ短期滞在施設としての位置づけはできていない状況にあります。
しかしながら、今後ともできるだけ既存施設を活用する中で、設置できる方向で検討してまいりたいと考えております。
公設の滞在施設はございませんが、現在、中辺路町の近露地域で地域団体が空き家を借り受けまして、それをリフォームして、近野地域への移住希望者へシェアハウスとして活用しようという計画をしております。
こういった計画もございますので、こういった民間の活動の支援を考えておるところです。そして、現在、県と市では、貸し主や借り主の個人へ空き家改修補助制度を実施しておりますけれども、こうした地域団体等が空き家など移住推進のために、利活用する場合の支援策につきましても、今後研究してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
(森林局長 寺本雅信君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 松下泰子君。
(14番 松下泰子君 登壇)
○14番(松下泰子君) ありがとうございます。今、御答弁いただきました近露のシェアハウスというものは、古民家を改修して5人が入居できるようになっているようですが、ぜひともこのような取り組みを進めていっていただきたいと思います。このシェアハウスも近露に移住してきた人たちが中心となっていますが、新たな移住者が移住者を呼び、仕事も起こしていくという好循環をつくることが期待されているところです。昨日上程されました追加議案でも、県外からの移住者が空き家を利用する場合の改修費を増額するという提案がございました。それも一つの方法ではありますが、今、空き家登録に残っているのは、住むにたえない老朽化した物件か売買希望の物件ということでした。今後の空き家掘り起こしも必要かもわかりませんが、それだけに頼ることなく、例えば、近野の市有地である旧国民
宿舎の跡地に短期滞在施設や定住促進住宅を建設することや、中辺路郵便局の隣の雇用促進住宅の活用なども視野に入れて、新たな方策を考えていただきたいと思います。
また、今回、国で決まりましたまち・ひと・しごと創生総合戦略でも、基本目標として地方における安定した雇用を創出することや地方への新しい人の流れをつくることが掲げられています。そのための施策として、地域産業の競争力強化や地方移住の推進が5年間の総合戦略の柱となっています。どれも本県にとっては、今さらながらの施策ではありますが、特に、当市も進めてきたことですから、今後、いかに効果的に結果を出していくかということです。つまり、定住促進施策として、大胆な発想も加えながら、今後の課題解決に積極的に取り組んでいただけますように要望いたしまして、私の質問は終わります。
ありがとうございました。
(14番 松下泰子君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 以上で、14番、松下泰子君の一般質問は終了いたしました。
以上をもちまして、一般質問を終結いたします。
◎日程第 2 1定議案第11号
独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴う
関係条例の整備に関する条例の制定についてから
日程第45 1定議案第57号 平成26年度田辺市
一般会計補正予算(第9号)につ
いてまで一括上程
○議長(塚 寿雄君) 続いて、日程第2 1定議案第11号
独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整備に関する条例の制定についてから、日程第45 1定議案第57号 平成26年度田辺市
一般会計補正予算(第9号)についてまで、以上44件を一括上程いたします。
ただいま上程いたしました44件については、過日既に当局の説明が終了しておりますので、これより総括質疑に入ります。
質疑はありませんか。
(「質疑あり」の声あり)
○議長(塚 寿雄君) 1番、川﨑五一君。
(1番 川﨑五一君 登壇)
○1番(川﨑五一君) 補正予算に関する総括質疑を行います。
地方の疲弊やとりもなおさず、地域経済の疲弊、個人消費の萎縮が地域の経済を冷え込ませる大きな要因となっています。本当に地域経済を回復させるなら、消費税減税が最も効果のある施策だと思いますが、当地域に循環するお金がふえれば、地域経済にはプラスの影響が予想されるものです。
そこでお伺いしますが、政府与党の自民党は、地方創生を掲げています。そして今回の補正予算で、まち・ひと・しごと創生の関連で、国から一体総額どれぐらいが田辺市に来て、うち幾らが市内の業者や個人に支出されるのか、その影響額についてお聞かせください。
(1番 川﨑五一君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 1番、川﨑五一君の質疑に対する当局の答弁を求めます。
企画部長、松川靖弘君。
(企画部長 松川靖弘君 登壇)
○企画部長(松川靖弘君) このたび補正予算でお願いをしてございます地方創生に係る地域住民生活等緊急支援のための交付金を活用した事業でございますが、この交付金につきましては、地域消費喚起生活支援型と地方創生先行型、この二つに分かれております。このうち地域消費喚起、生活支援型については本市への配分額が1億7,180万4,000円となってございまして、今回、プレミアム商品券事業とふるさと旅行券事業を計上させていただいてございまして、これらは全額、本市内で消費をされるものでございます。
一方、地方創生先行型につきましては、配分額が9,532万8,000円となっておりますが、これを活用して実施する各種の事業の中には、例えば、補助事業者による調達先であるとか、そしてまた販路拡大による販売額といいますか、消費額といった実績によって変動するものも含まれてございますので、その地元での消費割合であるとか、その金額をお示しすることは難しいと考えてございます。
以上でございます。
(企画部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(塚 寿雄君) 他に質疑はありませんか。
(「なし」の声あり)
○議長(塚 寿雄君) それでは、これで質疑を終結いたします。
ただいま議題となっております44件については、会議規則第37条第1項の規定により、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。各常任委員会の付託事件は、お手元に配付いたしております議案付託表のとおりであります。
お諮りいたします。
本日の会議は、この辺にとどめ散会し、あす3月13日から24日までの12日間は休会とし、3月25日午後1時から再開いたします。
これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(塚 寿雄君) 異議なしと認めます。
よって、さよう決しました。
散 会
○議長(塚 寿雄君) それでは、本日はこれをもって散会いたします。
(午後 3時48分)
地方自治法第123条第2項の規定により署名する。
平成27年3月12日
議 長 塚 寿 雄
副議長 佐 井 昭 子
議 員 二 葉 昌 彦
議 員 市 橋 宗 行
議 員 安 達 幸 治...